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抑圧のブーメラン攻撃を受ける北朝鮮裁判官: 北朝鮮司法機関の危機とä½...
抑圧のブーメラン攻撃を受ける北朝鮮裁判官: 北朝鮮司法機関の危機と住民の復讐 イ・ジョンウ元北朝鮮労働動司法検察担当幹部 北朝鮮の司法機関とその関係者たちが、住民たちの直接的な暴力と復讐の対象になっている。 北朝鮮労働党で司法検察部門を担当した私は、抑圧的で不公正な法執行に怒った住民たちが検事、裁判官、保衛員だけでなく、彼らの家族まで狙って暴力的な報復に出る姿を現場で直接目撃し、経験した。 私が司法機関に報告された事例を見た中で最も衝撃的な内容は、両江道のある地方検事が行方不明の数日後に山の中の空き家で暖炉に縛られたまま燃やされたり、他の地方の保衛員が道を歩いている途中に急襲されて片目を失い、足を折られた事件である。 北朝鮮で司法検察を担当した私も、バイクに乗っていてた時、襲撃にあった経験が何度もある。 ある日、バイクに乗って自宅に向かっていた私は、路地で誰かがあらかじめ設置していたなげなわ型のロープに首がかかって倒れた。バイクのスピードが出ていたところに、突然首にロープがかかって私の体は地面に倒れ、バイクは前方に吹っ飛んだ。幸い、大きな怪我はしなかったが、ややもすると大けがをしたり、命を失いかねない危険な攻撃であった。私が刑務所に送った人々の家族の中で誰かが恨みを抱いて報復をしたと見られる。私は犯人を探して復讐するより、再び起きるかもしれない報復の悪循環を防ぐために犯人を探さずに事件を隠した。 裁判官の家族が脅迫されることも一度や二度ではない。裁判官が出勤した隙を狙って、家に一人でいる裁判官の妻に対する暴力を行使したり、子供を拉致したりする。 北朝鮮住民は、司法機関に対し体制の抑圧的な道具として認識している。過度な拷問、不公正な処罰、無理な政策執行によって家族を失ったり、人生が破壊された住民たちが、結局その怒りを司法の働き手たちに直接的に吐き出しているのだ。単に処罰を受けるだけでなく、不当な方法で犠牲を強要された人々にとって、復讐はほとんど唯一の抵抗手段として作用している。 このため、北朝鮮の司法検察幹部らは、住民を処罰する際に報復されるのではないかと考えているという。北朝鮮当局も事態の深刻さに気づき、一歩遅れて警告に出た。北朝鮮は2023年2月、社会安全性布告文を通じて、司法の働き手とその家族に対する暴力を「反党的、反革命的行為」と見なし、無慈悲に懲罰することを宣言した。しかし、このような強硬対応がむしろ状況を悪化させる可能性が高い。抑圧的な政策に対する住民の不満が爆発した状況で、強圧的な措置はさらなる抵抗と復讐の種になるだけだ。 北朝鮮体制は抑圧的な司法運営と強制的な法執行で住民を統制してきた。しかし、このようなやり方はますますブーメランのような形となって戻ってきている。 抑圧が住民の怒りを高め、その怒りは再び体制を脅かす暴力として表出されている。司法機関の関係者たちが自分たちの役割を遂行しながらも、いつどこで報復されるか分からないという恐怖の中で生きていかなければならない状況は、体制の脆弱性を克明に表わしている。 司法の働き手に対する住民の怒りは、単に個人的な恨みの問題ではない。抑圧的体制の代弁者である司法機関に対する反感と抵抗は、体制全般の失敗を象徴する。このような悪循環は、体制が根本的な改革に乗り出さない限り、続くであろう。 北朝鮮内部の暴力的報復事態は、国際社会に深い示唆を残す。抑圧的な体制が維持される限り、住民の怒りはいつか爆発し、体制の根幹を揺るがす結果を招くだろう。これは北朝鮮内部だけの問題ではなく、周辺国と国際社会にまで影響を及ぼしかねない重大な事案だ。 国際社会は、北朝鮮住民の抑圧された暮らしと体制の失敗に注目しなければならない。北朝鮮住民が暴力的復讐を選択しなくても、暮らしの変化を期待できるように、国際社会の介入と支援が切実だ。北朝鮮内部の暴力と抑圧が単に体制の問題として片づけられるのではなく、自由と人権を守るための国際的連帯の課題にならなければならない。 抑圧と復讐が繰り返される悪循環を断ち切るためには、体制の根本的な改革が必要だ。北朝鮮住民の復讐は、絶望と怒りの表現にすぎない。この絶望を希望に変えるためには、住民に抑圧的な司法体系の代案を提供し、彼らがより良い人生を選択できるように国際社会が責任感を持たなければならない。 北朝鮮司法機関の危機は、体制全体の危機につながりかねない。これからは抑圧のブーメランがこれ以上飛んでこないように、住民の声に耳を傾け、実質的な変化のための努力を始める時だ。
24.11.28 -
ロシア・北朝鮮の共助と金正恩の国際刑事法的責任ロシア・北朝鮮の共助と金正恩の国際刑事法的責任 SANDコラム ウクライナ·ロシア戦争を契機に北朝鮮とロシアの不法な共助が次第に深刻化している。北朝鮮は開戦後、ロシアに大量の殺傷兵器を支援し、ロシアの兵站基地のような役割を果たしてきた。 今年2月、ウクライナ安保局(SBU)は、ロシアが北朝鮮産のKN23弾道ミサイルを使用して民間人24人を死亡させ、約100人を負傷させたと明らかにした。8月にはゼレンスキーウクライナ大統領が、北朝鮮産のミサイルが子どもを含む民間人を犠牲にした事実に触れ、国際社会の関心を促した。北朝鮮の兵器支援が戦争犯罪の道具になっているという証拠は、もはや否定できなくなった。 イ·ジェソク広告研究所 さらに深刻なことは、北朝鮮がロシアに兵力を派遣したという事実にある。最近の報道によると、北朝鮮の軍精鋭部隊である「暴風軍団」約1万人がロシアに派兵され、まもなく戦線に投入される予定だ。これは単なる武器支援を越え、直接的な軍事介入として拡張されたもので、北朝鮮の戦争協力がウクライナ戦争の勢力図を揺るがす主要変数として作用している。 国際社会は、このような北朝鮮の不法な戦争助力行為をこれ以上見逃してはならない。国際刑事裁判所(ICC)は戦争犯罪、反人道犯罪、集団虐殺、侵略犯罪を犯した個人を処罰する国際的機構だ。すでにICCは、ウクライナ領土で発生した戦争犯罪を調査し、プーチン大統領とロシアの主要幹部に逮捕令状を発行している。今度は金正恩の番である。 北朝鮮が提供した兵器は民間人の犠牲をもたらしたため、これはICCローマ規定第25条3項(幇助及び寄与犯)に該当することができる。ソン・サンヒョン元ICC所長も、北朝鮮の武器支援が明白な国際法違反であり、金正恩を戦争犯罪容疑で起訴しなければならないと主張した。 金正恩のICC付託は、単に法的処罰を越えて国際社会に重要なメッセージを伝えることができる。北朝鮮は、兵器支援だけでなく、軍隊派兵まで敢行し、世界平和に実質的な脅威となっている。国際社会と125ヵ国のICC当事国は、北朝鮮の犯罪を黙認せず、自由と平和を守る義務を果たさなければならない。 ICCは、金正恩の戦争犯罪に対する調査に関して直ちに着手しなければならない。これはローマ規定の精神を実現し、国際刑事裁判所の存在意義を証明する道となるだろう。 国際社会はこれ以上、金正恩の不法行為を傍観してはならない。 今は行動の時だ。
24.11.28 -
脱北民発言: 独裁者のために戦って死ぬことなく、自由を求めてください脱北民発言(ロシアからの脱走兵北朝鮮軍、イ·ナムスの手紙第2回) 独裁者のために戦って死ぬことなく、自由を求めてください イ・ナムス元ロシア派遣北朝鮮軍人 前回に続き、北朝鮮の軍人としてロシアの建設現場に派遣され活動し、3年前に脱北して大韓民国に迎えられたイ·ナムス氏が最近、ロシアの戦場に派兵され、危険にさらされている北朝鮮の軍人に送る慰労の手紙をお送りします。 では、この 戦争の 最大の 被害者は 誰ですか? それは皆さん、そして皆さんの家族です。遠く北韓にいらっしゃる両親が涙で日々を過ごしていることでしょう。今現在における消息筋によると、皆様のご両親は懸念と心配に病んでおり、朝鮮当局はこの事実を隠すために皆様のご両親を個別に集めて管理しています。あなたのご両親は、あなたが無事に戻ってくることを切望しているでしょう。戦場で死を迎えることことを、ご両親が皆さんに望んでいる人生ではないでしょう。あなたは彼ら/彼女らの誇りであり、彼ら/彼女らの大切な家族です。何によっても代わりになることも、そして説明することもできないただ一つの家族そのものです。ご両親の心配と涙を考えてください。その方々が皆さんの生存をどれほど心配しているのか、心の中に深く刻んでほしいです。 皆さんの命は、いかなる 政権や指導者の野望のために 犠牲になってはいけません。この戦争は皆さんが戦う戦争ではありません。この戦争は独裁者の欲と権力闘争に過ぎません。彼らは自分の権力のためにあなたを利用しており、その見返りにあなたの大切な命が犠牲になっています。相手の銃弾と砲弾に目があるわけではありません。今、明日、明後日、いつ皆さんのそばに砲弾が落ちるかわかりません。現代戦は、鉄拳を備えた肉体と精神力だけで戦う旧時代の戦争ではありません。無人機や砲弾を相手の戦闘陣地や重要な要所を標的に精密的に打撃を与えます。戦争を経験したことのない皆さんは、最初の標的になるでしょう。ロシア軍人としてロシアの軍服を着て、ロシアの地で生死を避けてください。もし、皆さんが間違えば、北朝鮮は党と首領のために戦った英雄として描写されるでしょうが、それが果たして誰に何のために必要でしょうか? 諺である「山犬が死んだライオンより良い」という言葉を皆さんもよくご存知だと思います。今こそ皆さんが選択する機会です。死ではなく自由を選択してください。 この戦争から抜け出す道はあります。投降することは決して卑怯な選択ではありません。それはむしろ勇気ある選択です。皆さんが自身の命を守るため、より良い人生のために賢明な決定を下すことです。北朝鮮の抑圧の中で育った皆さんに、真の自由とは何かを考えてみてください。 皆さんが望む人生は独裁者のために無駄に戦って死ぬのではなく、自由な世の中で自分の人生を生きていくことです。死後においてすべては無駄です。あなたの人生は大切で、誰もそれを奪う権利はありません。今、死ではなく人生を選択してください。戦友の心をもって言えば、自由を求めて大韓民国に来た私は、皆さんが経験している現実をよく知っています。私も皆さんのように北朝鮮の命令によって数えきれないほど、多くの不当さを経験し、その抑圧された体制の下から脱出できるという希望さえ抱くことができませんでした。 しかし、私はついに決心しました。 これ以上金正恩の奴隷として生きないという決心で、自由に向けた新しい挑戦をしました。選択と行動においてすべての仮定が容易ではなかったですが、自由を探す瞬間、私は誰かの統制の中にある道具ではなく、ただ私が主体である人間らしい人生を得ることができました。 皆さんも同じです。今、直面している状況がどんなに難しくても、皆さんにも選択の機会があります。あなたの命は、この悲惨な戦争で消耗するにはあまりにも大切なものです。金正恩とプーチン、彼らが望むのは、ただ彼らの権力維持であり、皆さんの生命と未来は彼らにとって何の価値もありません。今、この瞬間にも、北朝鮮では金正恩の命令に従って数多くの人が苦痛の中で生きています。皆さんもその苦痛の中で一日一日を耐えてきましたし、今やその苦痛の延長が死を分けるロシア戦線で行われています。しかし、今こそその苦痛から抜け出す時です。もしかしたら、人生において最初で最後となる絶好の機会です。戦場から抜け出し、自由を見つける方法は確かにあります。皆さんが投降したら、新しい人生を始めることができます。自由な社会で自分の声を出し、自分が選んだ道を歩むことができます。 北朝鮮のように抑圧と統制ではなく、真の自由の生活を享受することができます。自由民主主義国家では、皆さんが誰であれ、どんな背景を持っていても、自分の夢を叶える機会が開かれています。私は皆さんが自分自身の命を救い、自由を見つけることを切に願っています。自由は苦痛の中で輝く希望になることができ、その道を歩む瞬間、皆さんはこれ以上抑圧される存在ではなく、真の自由人に生まれ変わることになるでしょう。私もその道を歩きましたし、皆さんも十分にその道を歩いていけます。どうか皆さんが無事に生きて自由な人生を享受できることを両手を合わせて切に願います。戦場で生存することこそ最も重要なことであり、それが皆さんの未来のための最大の使命です。あなたの命はあなたのものであり、それを守る力もあなたにあります。 皆さんの安全と自由を祈り、元北朝鮮軍人であり、自由を見つけた自由人として切に望みます。 ソウルから皆さんの昔の戦友が送ります。どうかご無事で。
24.11.28 -
2025年以降: クアッド3.0のシナリオを考える2025年以降: クアッド3.0のシナリオを考える ホ・ウォンヨン国立木浦大学アジア文化研究所学術研究教授 9月22日、米国·日本·インド·オーストラリアの安全保障協議体であるクアッド(Quad)首脳会議が米国で開催された。4ヵ国の首脳が5回目に集まったこの席では、それぞれ選挙不出馬を宣言したバイデン米大統領と岸田文雄首相が出席した最後の会議だった。これはすなわち、日本の総選挙と米国の大統領選挙を経て、クアッドが新しい方向に展開することを意味するという点で、まさに今が4ヵ国の安保協議体の成果と課題を整理し、韓国に与える含意が何かを考察するに適切な時期といえる。 より長期的な観点からクアッドを見るためには、従来の分析と時間的な区分を異にする必要がある。多くの分析では、日本の安倍晋三元首相が「自由と繁栄の海」を唱えて「クアッド安保対話」を提案した2007年をクアッド1.0、その後の長い空白期間を経て、米ドナルド·トランプ政権が本格的に安保協議体を復活させた2017年をクアッド2.0の始まりと見る。しかし、これら協議体の登場と停滞および展開は、その前後の長い脈絡の中に位置している。 クアッド1.0は、中国の脅威がまだ体感的に現実化されていない域内状況の中で、日本の早熟な地政学的想像力を核心動力として推進された。4カ国協議体の始まりは、2004年にインド洋津波復旧および援助のために結成した「津波コアグループ」だった。2008年2月、オーストラリアのケビン·ラッド首相の就任とオーストラリアのクアッド参加中断、そして2009年8月の日本の民主党への政権交代は、この時期に比較的対立的でなかった東アジア域内の地政学的脈絡を示している。2004年から2013年までの約10年に近い期間は、中国の浮上に対する期待と警戒が同時に作動した時期だった。安倍首相自身が小泉純一郎首相の靖国神社参拝で冷え込んだ日中関係を改善し「戦略的互恵関係」の格上げに合意したことがこれをよく示している。 クアッド2.0もトランプ政権によって突然登場したわけではない。クアッドの復活は中国の台頭を肌で感じるようになった日本が提示した「インド-太平洋」という地政学的概念と深い関連を持っている。2012年12月に2度目の首相に就任した安倍晋三は就任直後、クアッド国家を中心とする「アジアの民主主義セキュリティーダイヤモンド」概念を提示し、2016年にはこれを地域概念として具体化した「自由で開放されたインド-太平洋(FOIP)」構想を用意して、米国を積極的に説得した。このような変化には、2010年9月における尖閣近海での中国漁船衝突事件と2012年尖諸島国有化措置によって劇的に高まった対中国脅威論が鮮明に反映されている。 クアッド(Quad)4カ国の首脳が米ワシントンのホワイトハウスで2021年9月24日(現地時間)に会談を開いている。/ワシントン|EPA聯合ニュース クアッド1.0が初期試行錯誤の時期だったとすれば、2013年から2024年までの約10年間において形成·持続されたクアッド2.0は対中国牽制のためのミニラテラリズム協議体が制度化される時期だったと言える。中国との戦略競争が本格化した中、日本の地政学的構想を受け入れたトランプ政権の強力な推進で復活したクアッドは、2019年と2020年にそれぞれ1回ずつ外交長官会談を行った。ここには中国の国内政治介入疑惑とCOVID-19事態で中国脅威論が高まったオーストラリア、そして2020年6月、国境衝突後に中国との関係が大きく悪化したインドの状況が影響を及ぼした。バイデン政権が発足した2021年には、2月の第3回外相会談に続き、3月には4ヵ国の首脳がオンラインによる初の首脳会議が開かれた。その後、2021年9月から2024年9月まで4回の対面による首脳会議が開催され、クアッドはミニラテラリズムの安保協議体としての位置を強固にすることになった。 このような過程において米国は「クアッドプラス」への拡大を図り、韓国をはじめとする周辺国の参加を直接·間接的に誘導してきた。こうした動きはトランプならびにバイデン政権ともに見られたが、文在寅政府では中国を考慮して原論的な立場を打ち出す消極的な姿勢を示した。一方、クアッド加入を公約に掲げた尹錫悦政府の発足後は、米国の要求がより具体的な形に変化している。2023年2月、米上院外交委員会がクアッドプラスへの韓国の参加を提案したのが代表的な例だ。 では、2025年以降におけるクアッド3.0の時代はどのように変化するのであろうか。4つの要因が今後のクアッドの性格を左右すると考えられる。第一は、欧州と中東で起きている戦争および大規模紛争の行方だ。超長期化したロシア·ウクライナ戦争と、どこに広がるか予測し難いイスラエル·パレスチナ紛争による中東情勢の激化は、クアッドをより軍事同盟の方向に導く可能性がある。第二は、中国の習近平政権の外交と両岸関係の変化だ。2027年に3期目を終える習近平主席はデフレーションの危機の中で親米·独立性向の頼清徳台湾総統を対象に両岸関係で劇的な成果を出さなければならないという圧力を受けている。 第三は、日本の石破茂新首相の動きだ。安全保障において強硬な立場を見せる石破首相は、既存の安保体制の連結と拡大(JANZUSなど)を通じた「アジア版NATO」の推進を公言しており、韓国に友好的な姿勢と相まって韓国を含むクアッド拡大を推進する可能性がある。最後に第四の要因としては、11月に予定されている米国の大統領選挙の結果だ。ハリス副大統領が当選する場合には現在のような路線が予想されるが、トランプが当選する場合には米中関係の変化と共にクアッドの拡張や韓国に対する役割分担要求が強化される可能性が十分に予想される。 上記した四つの要因の結合によって大きく2つのシナリオが考えられる。第一は、クアッド2.0の維持(statusquo)というシナリオである。域内の地政学的緊張が現在と類似した水準に維持され、(トランプ当選後でも)大きな突発事態が発生しなければ、クアッドは現在のミニラテラリズム的協議体の性格を強化するだろう。この場合、韓国は域内のミニラテラリズムの活性化が持つ意味を考慮して行動する必要がある。米国は様々な小規模協議体のネットワークを通じた統合抑止戦略を追求しており、これにはクアッドだけでなく日米豪三ヵ国戦略対話(TSD)、AUKUS、韓米日安保協力、民主国家連合体(D-10)、チップ4(韓米日台)など多様な体制が想定される。韓国も公式機構ではなく、クアッドに対する参加の可否で論争するよりは、既存に参加した協議体を中心に協力対象と範囲を調整し、必要に応じて拡大する戦略を取る必要がある。 第二に、軍事的拡張のシナリオだ。域内の地政学的環境が悪化し、衝突の可能性が高まれば、米国はクアッドの軍事同盟の性格を強化し、周辺国も積極的に引き入れる可能性がある。こうした拡張は単にクアッドだけでなく、現在進展している北大西洋条約機構(NATO)とインド太平洋4カ国(IP4、韓·日·豪·ニュージーランド)との協力が急速に加速する形になる公算が大きい。 このようなシナリオが現実化する場合、韓国がクアッドに参加しなければ、域内および域外国家から不信を招く可能性が高い。したがって、このようなシナリオが現実化する場合には、より早い政治的決断が必要であり、防衛産業および海洋能力構築など韓国が役割分担を要求される分野で先制的に協力する姿勢が求められるだろう。 このようにクアッドは域内の地政学的環境の変化が作り出した産物であり、固定された制度ではない。今後のクアッドもまた、周辺の有事事態を含めた地政学的地形変化が最も大きな前提として作動するだろう。中堅国の韓国は、北朝鮮とロシアの同盟と韓米日安保協力の復元など、韓半島情勢と国際情勢の連結度が高まるなかで、これに対して素早い対応をとる必要がある。今後の域内の地政学的環境の変化を先制的に把握しながら、周辺国とどのように戦略的に協力するかを決める知恵がいつになく大きく求められている。
24.10.24 -
「ハノイでのノーディール」後、米国ではなく韓国を狙った金正恩 :「æ...「ハノイでのノーディール」後、米国ではなく韓国を狙った金正恩 :「核使用」発言と挑発の可能性 チェ・ジンウク元統一研究院長 北朝鮮の核開発の意図とは何であろうか。北朝鮮自らが明らかにした意図は、電力難の解消から始まり、米国の敵視政策のためだった。米国の敵視政策のために核兵器を保有しなければならないと主張する時、大韓民国が北朝鮮の核兵器を保護する対象だと北朝鮮は主張した。しかし、もはや北朝鮮は大韓民国を核武力使用の対象だと公然と主張している。 1990年代初頭、初めて北朝鮮による核危機が始まった時、金日成は北朝鮮が核兵器を作る必要も能力もないと主張した。当時、北朝鮮は、「核発電所を稼動するのは、核兵器を作ろうとするものではなく、不足した電力を生産するためのものだ」と主張した。戦争危機にまで突き進んだ第1次北朝鮮核危機は、94年の米国と北朝鮮の米朝枠組み合意で辛うじて収拾された。ジュネーブ合意で北朝鮮はプルトニウム抽出が容易な5MWe黒鉛減速炉を廃棄する代わりに、米国は1,000MWe軽水炉2基を提供し、軽水炉完工時まで年間50万トンの重油を提供することで合意した。ジュネーブ合意で米国は北朝鮮の電力難の主張を受け入れ、北朝鮮の核危機を一時的に縫合した。米国は、米朝枠組み合意で北朝鮮がすでに確保したプルトニウムについては、論議すらしなかった。 振り返ってみれば、北朝鮮の核開発は当初から核兵器を目標にしたものだったが、当時の北朝鮮の核開発の意図は、電力需給をはじめ経済的援助の確保、米国からの安全保障の確保、体制内部の安定などのためのものであった。さらに、北朝鮮政権が崩壊しかねないという懸念が、核兵器開発に対する懸念に劣らず大きかったため、米国の対北朝鮮政策は、非拡散と軟着陸を目標とした。北朝鮮の核兵器開発について、米国と韓国は正確な意図を把握できないまま、外交的努力による北朝鮮の非核化は失敗を繰り返した。 しかし、米朝枠組み合意にもかかわらず、北朝鮮は核兵器開発を続け、2002年に米国が北朝鮮の核兵器開発を追及すると、北朝鮮は核兵器を保有せざるを得ず、その理由は米国の対北朝鮮敵視政策のためだと主張した。米国の敵視政策が、北朝鮮が核兵器を保有せざるを得ない理由だとし、北朝鮮は平和協定を通じて、米朝間の戦争状態を平和状態に転換し、安全保障を確保しなければならないと主張した。北朝鮮が主張する米国の敵視政策とは、米国が米朝間の葛藤から北朝鮮を敵視して攻撃するよりは、南北対決構図で米国が韓国を支援する場合を仮定したものと言える。すなわち、米国が韓国を支援するには、北朝鮮の核兵器の脅威を覚悟しなければならないという意味だった。北朝鮮は、米国の派兵兵力が上陸できる釜山など韓国内の港はもちろん、グアムのような域内の米軍基地だけでなく、米国本土まで打撃できる能力を誇示するために中長距離ミサイルを開発した。北朝鮮の金正恩国務委員長が今年9月に北朝鮮軍特殊部隊を訪れ、訓練の様子を見守っている/平壌タイムズ しかし、米国の対北朝鮮敵対政策とは事実ではないことが分かる。米国は冷戦終結後、北朝鮮との対話に大きな関心を示さなかったが、南北関係が円満に維持されることを希望し、北朝鮮政権の生存に最大の後援者の役割を果たした。米国は、北朝鮮が崩壊せず軟着陸するよう食糧と重油を提供し、北朝鮮の体制保障を約束した。9·11テロ以降、米国の外交政策の目標はテロとの戦いにあり、北朝鮮は米国の政策順位においてイラク、イラン、シリアなどと比べて高い優先順位を占めることができなかった。特に、中国の台頭後において北朝鮮核問題は米中関係に従属することとなった。 しかし、2006年に北朝鮮が核実験に成功し、その後、2012年に金正恩が政権を担い、北朝鮮の核兵器保有を憲法に明示し、核兵器は交渉対象ではないことを強調した。その後、北朝鮮は核武力の高度化に向けて拍車をかけた。 2017年のトランプ政権発足後、北朝鮮の核問題に対するアプローチは急変した。トランプ大統領は、米国優先主義政策の立場とトップダウン方式で北朝鮮の核問題にアプローチしたことで、米朝関係は対話モードに劇的に転換した。北朝鮮の核危機が新たな段階に突入するという高い期待の中で、金正恩との最終合意のために2019年2月にハノイで3回目の首脳会談が開催されたが、会談は決裂した。 トランプ大統領は、米国が主導する自由主義的世界秩序を維持することが中国に恩恵を与えるだけで、米国には損害だと診断し、米国のリーダーシップを強化するよりは、米国優先主義政策を推進した。同盟強化は経済的負担が大きいため、中国を弱体化させるために北朝鮮を中国から引き離すことが同盟維持費を節約する方法だと主張した。単純に言えば、在韓米軍の地上軍を削減したり撤収する見返りに、北朝鮮が核兵器を廃棄し、米朝間の平和協定を締結する交渉案がトランプ大統領の興味を引いた。 北朝鮮は、米国が経済制裁を解除すれば、寧辺のすべての核物質生産施設を永久に廃棄すると明らかにした。李容浩外相は会談決裂後の深夜の記者会見で、「これは朝米両国間の現在の信頼水準から見て、現段階で我々が踏み出せる最大幅の非核化措置だ」と述べた。しかし、北朝鮮は降仙のウラン濃縮施設に対する米国の追加措置要求を拒否した。降仙のウラン濃縮施設は、寧辺の核施設を凌駕する核物質の生産能力で、北朝鮮の核放棄に対する真正性を疑わせるものだった。 ハノイ会談は、北朝鮮の意図が何かを明確に示した。これまで北朝鮮は、核武装の理由が米国の敵視政策のためであり、そのために平和協定が必要だと主張したが、ハノイで平和協定に対する主張はなかった。李容浩は、「われわれが提案したよりも良い合意がなされるのか、この場で話すことは難しい」とし、また「このような機会さえ再び訪れることは難しい」と述べ、会談決裂に対する北朝鮮の失望感を隠さなかった。 ハノイ会談は米朝間の会談であったが、交渉が決裂すると、北朝鮮は米国よりも韓国に対して冷淡と無視、嘲弄と脅迫に急変した。金正恩はハノイでのノーディール(2019.2)以降、「南朝鮮にはどんな期待もするな」、「飢え死にしても南朝鮮に物乞いするな」など、対南政策に対する一種のガイドラインを提示し、これにより北朝鮮はさらに強硬一辺倒の立場を取ることになった。幹部らは韓国当局に対して暴言をはばかることなく短距離発射体の挑発を再開した。2020年6月には、開城の南北共同連絡所の建物を爆破することで、南北関係に対する北朝鮮の不満と挫折感を表した。 2022年5月、韓国に保守政権が発足すると、北朝鮮は敵対的態度を露骨化した。金正恩は随時「核先制攻撃」による脅威をためらわず示し、金与正は「韓国を絶対に相手にしない」とした。金正恩は2022年12月、党中央委8期6次全員会議で「核弾頭保有量を幾何級数的に増やせ」と指示した。 特に、南北関係を二つの敵対的な国家関係と規定した。金正恩は2023年末の労働党第8期第9回全員会議で「二つの国家論」を主張し、統一戦線部をはじめとする対南事業部門の機構を整理、改編するよう指示したのに続き、2024年1月の最高人民会議で「共和国民族の歴史で統一、和解、同族という概念自体を完全に除去してしまわなければならない」とし、南北会談と南北交流業務を担当してきた祖国平和統一委員会と民族経済協力局、金剛山国際観光局を廃止する一方、金日成の統一遺訓の象徴物である祖国統一3大憲章記念塔も撤去した。 2023年7月、労働党副部長金与正の談話を通じて北朝鮮が従来の「南朝鮮」の代わりに、「大韓民国」と表現したのは本格的に対韓国との対立軸を立てるための信号弾だ。これまで北朝鮮の立場で南北関係のキーワードは民族、和解、統一だったが、これは米国が望む通り南北関係の安定を意味する。一方、米国と対立して米国を打撃できる核武力を完成したと言ったことは、実現可能性が低いと言える。 ハノイでのノーディール後、北朝鮮の戦略における最大の変化は、米国ではなく韓国を狙ったということだ。北朝鮮が韓国、少なくとも韓国政府とは同じ民族であることを拒否する極端な敵対観念の表出によって、対南核先制攻撃の脅威と戦術核攻撃訓練を正当化しようとするものだ。 最近、北朝鮮はウラン濃縮施設を公開することで、軍事挑発が迫っていることを暗示することで、米朝交渉を圧迫する効果を狙っている。 北朝鮮の対南敵対態度は、韓国国民の認識に反映されている。韓国国民の90%以上が、北朝鮮が自ら核兵器を放棄することに対して期待していない。そして80%以上が北朝鮮の挑発の可能性について懸念している。そして統一をしなければならない最も大きな理由も、「同じ民族だから」、「強大国になるために」よりは、「戦争の危険を防止するために」である。北朝鮮の対南敵対態度が韓国の対北朝鮮戦略の変化につながり、韓半島の緊張が高まっている。
24.10.24 -
過去の歴史には穏健、安保には強硬な日本の新首相、石破茂過去の歴史には穏健、安保には強硬な日本の新首相、石破茂 ユ・ミンヨン/政治学博士成均館大学東アジア学術院サーベイリサーチセンター専任研究員 9月27日に行われた自民党総裁選挙で石破茂元自民党幹事長が選出された。石破新総裁は10月1日に開かれる臨時国会で日本の新首相に就任することになる。長い間、党の非主流改革派として評価されてきた石破は、自民党総裁選挙において5度目の挑戦の末、自民党総裁と日本の首相の座につくことになった。今回の総裁選挙では石破新総裁とともに高市早苗経済安保相、小泉進次郎元環境相が有力候補として取り上げられた。このうち石破新総裁は韓日関係に穏健な立場を取っていると評価されるが、日本の安保問題には比較的強硬な立場にもある。 自民党総裁選挙は、自民党所属議員と党員の投票を通じて行われ、1回目の投票で過半数の得票を得た候補者が出ない場合、上位2人の候補者が決選投票を行うことになる。今回の総裁選挙では、第1回投票でそれぞれ1、2位となった高市経済安保相と石破新総裁が決選投票を行ったが、2位だった石破新総裁が決選投票で逆転劇を繰り広げ、総裁に選出された。1回目の投票で72:46(高市:石破)だった議員投票数が決選投票で173:189と逆転したことから、1回目の投票で他の候補たちに票を投じた自民党議員たちが決選で高市の強硬な保守性向を憂慮し、穏健な石破新総裁に票を投じたものと解釈できる。 石破新総裁は全般的に穏健な立場を取っており、「歴史問題には前向き、安保問題には保守的」という評価を受けている。2019年、韓国政府が韓日軍事情報保護協定(GSOMIA)を終了するとし、韓日葛藤が高まった時期、石破は自身のブログで過去の歴史問題と関連して「日本が敗戦後、戦争責任に正面から向き合っていなかったことが多くの問題の根源だ」と自身の考えを明らかにし、「何かを解決して過去の小渕首相-金大中大統領時代のような良い関係に戻ってほしいと考える人が少なくないだろう」と主張し、韓日関係で過去の問題に対して日本の前向きな態度が必要だとした。また、日本の政治家の靖国神社参拝を批判し、A級戦犯を靖国神社から分祀すべきだと主張するなど、前向きな歴史認識を持っている。石破茂元自民党幹事長が9月27日、自民党総裁選挙で当選した後、手を挙げて挨拶している。/聯合ニュース 韓日関係に対するこのような立場から考えて、石破新総裁は韓日関係に比較的穏健な立場を取るものと見られる。特に、尹錫悦大統領と岸田文雄首相が12回の首脳会談を行うなど、岸田政権では韓日関係に対して融和的な立場を取っている状況で、このような基調を急激に変化させる理由は見当たらない。現在、自民党内の力学構図もこのような予想を裏付ける。総裁選で強力なライバルだった高市経済安保相が麻生太郎、安倍晋三元首相勢力の支持を受けたのに対し、石破新総裁は岸田首相勢力の支持を受けたと目された。岸田首相の3年間の在任中の最大の業績の一つとして韓日関係の改善を挙げているため、岸田首相勢力の支援を受けた立場でこれを傷つける行動を取る可能性は低い。石破新総裁は総裁投票当日の演説においても、「3年にわたり内政と外交で残した大きな功績に心から敬意を表する」と岸田首相に対して肯定的な評価をした。 しかし、石破は防衛庁長官、防衛相を務めた経歴があり、安保と防衛に対する立場が確固であり、また比較的保守的だ。憲法9条に根拠規定を追加して自衛隊保有を憲法に明文化しようという自民党の基本立場に賛成しており、個人的には自衛隊を国防軍と規定する憲法改正をしようという主張もした。米国の核兵器を共同運用する「核共有」に対するアイディアを出したりもしており、最近、米ハドソン研究所への寄稿では日米同盟を米英同盟水準にあげて平等にしなければならないと主張するなど、安保分野で日本の自主性を強調する立場を取っている。 北朝鮮との関係については、日本人拉致被害者問題の解決に向け、東京と平壌に連絡事務所を開設するという公約を打ち出した。北朝鮮との対話を実現させるという積極的な態度を見せているだけに、公約の実現可能性の問題はあっても、前向きな立場を示しているものと解釈される。 ただし、全般的に穏健な立場を持っていると評価されるが、石破新総裁も保守的な自民党の基本的立場と大きく異なる位置にあるわけではない。韓国大法院の強制動員損害賠償判決について、「国際法違反」と批判し、日本の独島領有権を主張するなど、韓日関係でも基本的には保守的な自民党の一般的立場と大きく変わらない側面もある。したがって、新任の石破首相が率いる日本政府において画期的な韓日関係改善を期待するよりも、現在の尹錫悦大統領-岸田首相の融和的関係が大きく変化せずに続きながらも、突出的に生じうる韓日の葛藤要素はいつでも潜在していると見るのが合理的だろう。 石破新総裁は10月に衆議院を解散し、総選挙を行う予定だ。石破新総裁の就任後初の試金石となる。総選挙において彼は自分を支持した党内勢力を考慮しなければならず、野党との対決でも勝利しなければならない。昨年の政治資金スキャンダルで長い間自民党を構成してきた派閥が大部分解体され、国民の自民党に対する信頼が落ちた状態で、党の危機を克服しなければならない重要な役割を担ったのだ。自民党より1週間先に代表選挙を行った野党第一党の立憲民主党の新代表に保守派の野田佳彦元首相が選出され、中道層支持を民主党に奪われないために自民党では強力な候補だった保守派の高市経済安保相ではなく、穏健派の石破総裁が選出されたという評価もある。このような国内政治の状況で、国民の心をつかむために自民党と石破総裁が穏健的な行動を見せるであろうという期待が集まっている。
24.10.24 -
金正恩「韓国の外部攻撃で崩壊できない··· 内部崩壊可能」 北朝鮮のç...金正恩「韓国の外部攻撃で崩壊できない··· 内部崩壊可能」北朝鮮の社会文化統制の現状分析と展望 キム・ホホン 韓国国家戦略研究院対北戦略センター長 北朝鮮は全世界で最も閉鎖的で抑圧的な国家だ。深刻な経済難で住民の苦痛が長期間続くなか、政権に対する不信が広がっているにもかかわらず、金日成、金正日、金正恩と続く3代世襲政権が維持されている根源には、このような閉鎖と抑圧政策が核心要因として作用している。すなわち、社会全般に浸透している非社会主義的現象と住民の不平·不満が「集団的抵抗」に発展しないよう監視し遮断する徹底した社会文化的統制システムが作動しているために、長期間の独裁政権維持が可能だということだ。北朝鮮は政権樹立初期から、いわゆる「非社会主義」現象に対して非常に敏感に対応し、これを遮断するための監視と統制を続けてきた。北朝鮮の<朝鮮末大辞典>では「非社会主義」を「社会主義原則に反するあらゆる不健全なもの」と規定しているが、その概念が曖昧で適用範囲も広いため、政権の必要に応じて住民を抑圧し人権を侵害する手段として悪用されたりもした。北朝鮮内の非社会主義現象は、政権樹立初期には一部の住民または地域に限定されて現れたが、1990年代半ばの「苦難の行軍」で配給制度の崩壊と経済的危機に直面することになり、通信機器の発達による外部世界接触の機会が拡大することによって全地域に拡散する様相を見せた。これに比例して北朝鮮当局の社会·文化的統制も多様な形態で持続してきているが、金正恩政権になってさらに体系化され強化される傾向にある。 金正恩は執権直後の2012年1月1日の新年の辞において、いわゆる「社会主義文明国」建設を主要政策目標に設定した。金正恩が提示した「社会主義文明国」について、北朝鮮当局は「社会主義文化が全面的に開化·発展する国、人民が高い創造力と文化水準を持ち、最上の文明を最高の水準で創造し享有する国」と規定した。しかし、このような長々とした美辞麗句にもかかわらず、その核心的内容は住民の間で広がっている非社会主義的要素、特に韓国から染み込んでいる「韓国の風」を根絶するということだった。これは、金正恩が主要な契機の度に非社会主義要素の清算に向けた思想闘争を強調しているという事実からよく表れている。 金正恩は社会主義文明国建設を提示した直後の2012年11月26日、検察および裁判部門幹部会議を招集し「非社会主義的現象の危険性を深く認識し、このような行為をする者を法的に厳格に治めること」を指示した。北朝鮮が検察と裁判部門の会議を招集したのは30年ぶりのことであった。続いて2016年8月28日、金日成社会主義青年同盟第9回大会では「あらゆる非社会主義的で異色的な毒草の芽を萌芽期に根こそぎ取り出さなければならない」と督励した。2021年4月8日、党細胞秘書大会と2022年3月28日に開催した労働党第1次宣伝部門仕事人講習会では、北朝鮮内に反社会主義·非社会主義の風潮が蔓延していると叱責し「反社会主義、非社会主義との闘争で思想戦の砲撃を集中化·精密化すること」を指示した。政権維持のためには、首領の絶対的権力保障や人民の無条件的な忠誠と服従が欠かせないが、個人の自由と人権を重視する非社会主義的思潮が浸透する場合、政権安定を害する重大な脅威要因になるという認識の下、関係部門の働き手に対して徹底した監視と統制を促しているのだ。平壌のある高等中学校の生徒2人が2021年、韓国ドラマ視聴、流布罪で公開裁判を受けている。/SAND研究所英文ニュースレターチーム このような金正恩の指示により、内閣と最高人民会議は関連法と制度を迅速に整備した。「反動思想文化排撃法」(2020年12月)、「青年教養保障法」(2021年9月)、「平壌文化語保護法」(2023年1月)など韓国の文化や言語(「韓国の風」)を警戒する法を制定し、禁止事項を具体的かつ詳細に羅列し、これに違反した場合、厳しく処罰するよう規定した。さらに「反動思想文化排撃法」と「平壌文化語保護法」では死刑まで処罰できるよう明示した。 最近では、住民に最も身近に接することになる最末端の行政機関や組織を動員し、統制を強化する動きを見せている。社会の底辺に流れている「韓国の風」をはじめとする非社会主義的要素を除去することで潜在している政権脅威の芽を摘み取るという意図だ。まず、人民班を通じた統制だ。人民班は邑·洞事務所に所属した20~30世帯で構成されている。人民班長が責任的役割を遂行し、個別世帯に対する体制離脱と生活態度などを常時監視し、これを党と人民保安省、国家保衛省などに報告するようにした。2023年12月に「人民反組織運営法」を制定し、人民班長の権限を強化することで監視活動を体系的·効率的に展開できるよう保障した。また、2024年4月30日から5月1日まで「全国分駐所長会議」を開催し「反社会主義·非社会主義を排撃する思想闘争強化」を指示した。分駐所は警察機能を遂行する社会安全省の最末端下部組織で、全国分駐所長会議を開催したのは、金正恩国務委員長就任初年度の2012年11月23日以来12年ぶりだった。それほど非社会主義の風潮による綱紀の乱れと思想的動揺の状況が深刻だということを示唆している。 一方、金正恩が昨年末、党全員会議と今年初めに最高人民会議の施政演説を通じて宣言した「二つの国家論」と「統一廃棄」政策も、そのルーツを探ると、「韓国の風」を遮断するための社会文化的統制政策と相まっている。韓国を「第1の主敵」と設定し、統一関連用語と関連機構を閉鎖、そして鉄道·道路を断絶するなど対南敵対関係の固着化政策を強力に推進している原因の中には、韓国から流入する非社会主義要素を根源的に遮断するという意図も含まれているのだ。 つまり、金正恩は対南政策転換を宣言し、「韓国の一貫した吸収統一政策」を浮き彫りにし、韓国社会を「米国の植民地属国」と歪曲したが、これには韓国に対する敵対感を鼓吹させることで体制離反心理の拡散を防止するという底意が隠れていると見るべきだ。また、最近北朝鮮が持続的に施行している対韓国「汚物風船」も住民に対する社会文化的統制と連結されていると解釈できる。なぜなら、汚物風船を飛ばすことには様々な意図が複合的に含まれているが、最も直接的には韓国の民間団体の対北朝鮮ビラ散布を阻止するためのものだからだ。 だが、このような北朝鮮当局の強力な統制にもかかわらず、北朝鮮内部にいわゆる「韓国の風」をはじめとする非社会主義的要素が染み込み拡散することを遮断するには限界があるといえよう。 人間の自由と人権保障という歴史の正方向に向かって堂々と流れるソフトパワー(soft power)の荒波は、法と制度という人為的手段で防ぐことができないためだ。それだけでなく、多くの北朝鮮住民がすでに「韓国の風」に触れている現実において、住民が当局の抑圧と統制政策に無条件に順応する可能性も希薄だ。また、社会のあちこちに蔓延している不正腐敗のリンクは取り締まりと統制の死角地帯を次第に広げていく要因として作用している。このような事実は、すでにチャンマダン世代を中心に資本主義的思考と行動がほぼ一般化した水準に達しており、多様な非社会主義(韓国式)用語が日常の言語として定着しつつあるという北朝鮮社会の現実が立証している。 体制逸脱の動きも加速している。統一部が2024年2月に脱北民6,351人のインタビューアンケート調査を通じて発表した「北朝鮮経済·社会実態認識報告書」によると、20代と平壌出身、体制維持職業群の脱北者数が持続的に増加しており、最近になって外交官、軍人の連続脱北も増えている傾向にある。 最近、北朝鮮を脱出して韓国に亡命した李日圭元キューバ参事の証言によると、金正恩国務委員長は、「我々の国は外部の侵入と軍事攻撃では絶対に崩れない。崩れる唯一の可能性は内部崩壊」と言及し、このような発言が労働党内部に広く伝わったという。北朝鮮の社会内部に蔓延している資本主義的思考と開放的行動およびこれによる内部動揺が体制安定に最も大きな脅威要素になり得るという最高指導者の認識と憂慮を赤裸々に示す場面だ。エリザベス·サルモン国連北朝鮮人権特別報告官は2024年9月、第79回国連総会に提出した人権状況報告書で、金正恩政権が住民たちの私的商業活動さえも「反社会主義・非社会主義的行為」として大きく抑圧しており、公開処刑と公開裁判を再び導入し人権弾圧と統制を強化していることを指摘した。 このような諸般の状況を考慮してみれば、金正恩政権は今後も体制および政権維持の次元において住民に対する社会·文化的統制の手綱をさらに引き締めていくものと見られる。住民に対する思想統制を強化することはもちろん、公安·保衛機関および行政組織を総動員して非社会主義要素を捜し出し処罰することに国家力量を集中するものと展望される。そして、このような政策推進の当然の帰結として、北朝鮮住民の人権と自由はさらに深刻に蹂躙されるであろう。 今日の国際社会は、金正恩政権の住民統制と抑圧など人権弾圧の実状によって多くの関心を傾け、北朝鮮体制の変化を促進できる多様な対策を講じなければならない重要な時点に直面している。まず、金正恩政権の社会文化的統制が、国家運営に必要な秩序維持や通常の治安管理の次元を越え、人間の尊厳と思想表現の自由など基本的権利を深刻に侵害する犯罪行為という点で共感を形成することが重要だ。このような基本的な観点の下で、北朝鮮政権によって施行されている各種の社会文化的統制の実状を共有し、その不法性と不当性を指摘して中止を促すことに力を合わせなければならない。一方では、北朝鮮住民に自由と人権の大切さを認識させ、外部世界の実状をありのままに知らせることで、彼らが自ら人間としての自尊心と権利を探し、守っていけるように助けなければならない。もちろん、金正恩のパーソナリティや追求する政策の方向から見て、人権弾圧と社会文化統制政策が直ちに可視的に変化したり、改善される可能性は希薄である。にもかかわらず、このような国際社会の関心と努力が忍耐を持って中断されることなく持続する時、北朝鮮の体制変化は決して不可能なことではなかったということが証明されるだろう。
24.10.24 -
金正恩氏の娘、ロシア大使と耳打ちで対話した理由金正恩氏の娘、ロシア大使と耳打ちで対話した理由 イ・スンヒョンSAND研究所研究委員 北朝鮮の金正恩国務委員長の娘である金主愛が、平壌駐在ロシア大使と耳打ちする場面が公開された。金主愛は10日に開かれた北朝鮮労働党創建79周年記念式に参加したアレクサンドル·マチェゴラロシア大使と挨拶をする過程で身をかがめ耳打ちで対話を交わした。 金主愛が外国人と公の場で会って対話を交わす場面が公開されたのは今回が初めてだ。2013年9月、キム·ジョンウンの招請によって訪朝したアメリカの元バスケットボールスター、デニス·ロッドマンが私的な席で金主愛に会ったことがある。 朝鮮中央テレビが公開した党創建79周年行事の映像によると、正装姿の金主愛は父親の金正恩とともにロシア製高級リムジンであるアウルスに乗って行事会場に登場した。 この車はプーチン大統領が今年6月の訪朝当時、金正恩にプレゼントしたものであり、朝鮮戦争の休戦協定締結日である「7.27.1953」の番号が刻まれていた。 車から降りた金正恩と金主愛は会場に先に到着した高位幹部らと挨拶を交わした。特に、同日の行事に外賓としては、アレクサンドル·マチェゴラロシア大使が招待され、北朝鮮とロシア間の密着を誇示した。北朝鮮メディアは、マチェゴラ大使が金正恩の「個人招待客」として参加したと伝えた。 金正恩がマチェゴラ大使と握手を交わした後、後ろにいる金主愛を紹介し、2人は嬉しそうに握手を交わした。続いて金主愛はマチェゴラ大使の手を握ったまま体をかがめて耳打ちで話をし、これにマチェゴラ大使は明るく笑う姿が捉えられた。 金主愛はこの日の夕方に開かれた慶祝公演と宴会にも参加したが、マチェゴラ大使は主席壇で崔善姫外相の隣に座り、ロ朝間の親密感を誇示した。10月10日、朝鮮労働党創建79周年記念行事に参加した金正恩国務委員長の娘の金主愛が、マチェゴラ駐北ロシア大使と挨拶を交わし、耳打ちで会話を交わしている。/朝鮮中央テレビ このような中、ロシアは韓国が平壌上空に無人機を送ったという北朝鮮の主張に同調し、北朝鮮の肩を持った。 ロシア外務省のマリア·ザハロワ報道官は14日(現地時間)、ロシア外務省を通じて発表した声明において、「ソウルのこのような行動は北朝鮮主権に対する重大な侵害であり、独立国家の合法的な国家·政治体系を破壊し自主的に発展する権利を剥奪するための内政干渉と見るほかない」とした。 続けて、「ロシアは北朝鮮と締結した包括的な戦略的パートナー関係に関する条約に基づくものを含め、韓半島で危険が深刻化することを防ぎ、状況を肯定的に戻すために建設的な役割を継続する」と強調した。 ウクライナへの侵攻後、西側と対立して北朝鮮と密着しているロシアは、北朝鮮の主張を土台として、韓国政府に批判メッセージを出すことが多くなった。 一方、ロシアのプーチン大統領はこの日、ロシアと北朝鮮が今年6月に締結した「包括的な戦略的パートナー関係条約」(北ロ条約)批准に関する法案を下院(国家ドゥーマ)に提出した。 これは、今年6月にプーチン大統領が北朝鮮を国賓訪問した際に金正恩委員長と首脳会談した後に締結した北ロ条約の効力を発生させるための手続きだ。ロシアと北朝鮮は、同条約締結後、全面的な協力を強化してきた。 この条約には双方のどちらかが武力侵攻を受けて戦争状態になれば、もう一方が国連憲章第51条と北朝鮮·ロシア法に準じて遅滞なく軍事援助を提供するという内容が含まれており、北ロが軍事同盟水準に関係を格上げさせたという評価が出ている。 先月には、ロシア国家安保会議書記のセルゲイ·ショイグが平壌を訪問して金正恩委員長と会い、崔善姫外相もロシアを訪問してセルゲイ·ラブロフ外相と会った後、ユーラシア女性フォーラムに出席するなど、北朝鮮とロシアの高官との交流も活発に行われている。 北朝鮮がロシアに対してウクライナ侵攻に必要な弾薬などの兵器を提供しているという疑惑が絶えず提起されている中、このところ北朝鮮がウクライナにロシア軍を支援する兵力を派兵したという主張も出ている。 北朝鮮が金主愛とマチェゴラ大使の耳打ち対話場面を意図的に演出したのも、北ロ間の親密性を誇示しようとする意図と思われる。一方、血盟の北朝鮮駐在中国大使は同日、行事の主席団に招待されず、冷たい中朝関係の現在地を表した。
24.10.24 -
1800臆ウォンの民族資産を爆破した金正恩の反統一暴挙 金正恩の2つの国...1800臆ウォンの民族資産を爆破した金正恩の反統一暴挙金正恩の2つの国家論に死亡宣告した8.15統一ドクトリン キム・ミョンソン SAND研究所専任研究員 北朝鮮が15日昼頃、南北協力のシンボルである京義線と東海線の南北連結道路を爆破した。分断と朝鮮戦争で断絶した後に、約60年続いた国土のつながりを金正恩が再び切ったのだ。 今回、北朝鮮が爆破した京義線·東海線道路は、金日正時代の1992年の南北基本合意書で「切れた鉄道と道路を連結」に合意したことから始まり、金正日時代の2000年の南北首脳会談を契機に本格的に推進され、2002年9月に南北が同時に着工式を行ったものである。当時、北朝鮮メディアは「一刻も早く切れた鉄道と道路を連結し、同じ民族同士で力を合わせて民族の繁栄を成し遂げよう」と統一に対する期待感を示した。 しかし、昨年末、金正恩は南北関係を「敵対的な二つの国家関係」と宣言し、今年初めに「京義線北側区間を回復不可能な水準に物理的に完全に切ること」を指示した。これにより、今年8月に京義線と東海線の鉄道を遮断したのに続き、道路爆破によって南北間の陸路まで完全に遮断した。 統一は愛国、分断は売国だと主張してきた金日成、金正日の統一遺訓と業績を金正恩自ら廃棄したも同然だ。 また北朝鮮は、「切れた道路を要塞化する」と明らかにした。切れた国土の腰にコンクリートの壁を設置し、事実上国境線にするということだ。これは統一だけが生きる道だと思っていた北朝鮮住民たちと民族の統一という念願まで抹殺した破倫的で反民族的暴挙というしかない。 特に、北朝鮮が爆破した京義線と東海線の道路は、韓国国民の税金1800億ウォンが投入された施設であり、これを無断で爆破·破壊したことは、南北の相互尊重と信頼の土台を傷つけ、韓国国民の財産権を侵害したもので、法廷に立たなければならない重大犯罪に属する。これに先立ち北朝鮮は2020年にも対北ビラに対して難癖をつけ、韓国国民の税金が投入された開城の南北共同連絡事務所の建物を爆破した。 これに対し韓国政府は昨年6月、北朝鮮に初めて447億ウォンの損害賠償を請求する訴訟を提起した。今回も北朝鮮が韓国の権利がある施設を無断で撤去·爆破することが「不法行為」であり、韓国政府と国民の財産権を侵害した行為である点を明確にするために賠償を請求しなければならないという指摘が出ている。北朝鮮が10月15日正午頃、京義線北側地域の道路を爆破する場面/統合参謀本部 南北関係を「敵対的二つの国家関係」として再確立するための北朝鮮の動きは、2019年ハノイでのノーディール以後からすでに始まった。非核化の意志がなかった金正恩は、会談決裂後、南北関係を改善しても経済的に得る利益がないと判断し、韓流によって変化した北朝鮮の住民意識を統制するために、2020年の反動思想文化排撃法など韓流統制法案を相次いで発表した。昨年末から「敵対的二つの国家論」を公式化し始めたのである。金正恩は最高人民会議で憲法に明示された「自主·平和·民族大団結」の表現を削除し、大韓民国を「第1の敵対国」と明記することを指示した。 金正恩の指示によって統一と民族を消す作業が速戦即決で進められたが、平壌にある統一通りに設置された統一愛国の象徴物として称賛されてきた「祖国統一3大憲章」の記念塔が「みっともない」と指摘され撤去されると、北朝鮮住民が衝撃を受けるほどだった。北朝鮮の愛国歌から三千里錦繍江山の表現も消えた。北朝鮮全域に建てられた金日成·金正日の親筆碑から統一、民族などの文言を削除する作業も行われている。 3月から非武装地帯(DMZ)内の京義線陸路(道路)と東海線陸路の街灯の相当数を撤去し、5月には軍事境界線(MDL)から金剛山側につながる東海線鉄道の北側区間を撤去する動向が捉えられた。 今年6月末から開城駅とMDLを結ぶ京義線の北側区間で鉄道の枕木とレールが撤去された。8月には京義線の列車保管所まで解体された。また、南南葛藤を最高潮に増幅させるために、全方位的な汚物風船テロを強行している。 さらに、住民たちに韓国への敵対意識を植えさせ、二国論の名分確保のため、内部で大々的な戦争ムードを造成している。 問題は、金正恩のやり方に大韓民国と国際社会はもちろん、北朝鮮住民も気づき始めたということだ。北朝鮮が対南汚物風船テロ行為と京義線·東海線道路爆破のニュースを住民に知らせることができないのもこのような理由のためだ。金正恩が金氏王朝の存立根拠として掲げた「統一」を放棄したのは、体制競争によって敗北した者の喪失感と無力感からくる恐怖の発露であり、北朝鮮体制のアイデンティティそのものが重大な変化に直面したことを示唆している。 尹錫悦政府の8·15統一ドクトリンは、金正恩の反統一、民族放棄政策で韓半島統一に対する希望が消える厳しい環境の中から出たものでもある。 大韓民国の憲法的価値である「自由·平和·繁栄の統一·大韓民国」に進むための統一ビジョンを明示し、金正恩の亡国的な二国家論に死亡宣告を下し、韓国の統一意志を対内外に誇示した。 これは特に、北朝鮮の反応がなくても、大韓民国ができる具体的な統一実行案が含まれ、大韓民国が韓半島統一の主体としての役割を果たせる環境を整えたという評価を受けている。
24.10.24 -
過度の為替市場の統制がもたらした超インフレ過度の為替市場の統制がもたらした超インフレチョ・チュンヒ グッドファーマーズ研究所所長(北朝鮮学博士)1. 最近の現況最近、北朝鮮市場の物価上昇が尋常でないという。資料によると、現在のコメ価格は平壌、平城地域で7,000ウォンであり、両江道、咸鏡北道北部内陸地方で8,000ウォンまで取り引きされた事実もあるということだ。ここ数年で最高値を記録している。2024年9月現在、北朝鮮中央銀行の為替レートは1ドル当たり9,000ウォンで、市場為替レートは18,000ウォンである。2021年から調査された平壌·恵山地域の穀物価格の変化動向は<表1>の通りである。<表1> 9月基準の平壤・恵山地域の穀物価格変化資料が示すように、北朝鮮ウォンで表示された穀物価格は急上昇し、ドルで表示された価格は反対の傾向を示している。ほとんどの北朝鮮住民がドルで経済活動をしていないことを考慮すれば、現在の穀物価格の上昇は深刻な現象と見て取れる。現在の超インフレの下で、北朝鮮住民は実質所得の増加がなく、より高い物価に直面して苦痛を受けている。北朝鮮の両江道恵山市の市場の姿/カン・ドンワン東亜大学教授2. 問題提起一般的にインフレは一定期間において物価が持続的で比例的に上がる現象をいう。 あるいは貨幣価値が持続して相対的に落ちる現象だ。最近、北朝鮮市場で北朝鮮ウォンの価値下落とドル上昇の原因はいろいろあるが、一回的な物価上昇ではなく、持続的な物価上昇に関係している。したがって、現在の北朝鮮の状況をインフレと見ることができる。では、このような現象の原因はどこにあるのだろうか。1) 北朝鮮のウォン対ドルの為替レートが上昇ドル為替レートの増加理由は、第一に国際社会の流れの影響を受けるものと評価できる。現在、韓国をはじめ、世界の金融市場でドルの価値は引き続き上昇している。 北朝鮮がコロナ全面封鎖で外部と完全に遮断された時は、ドルの価値が下がり1$:5,300ウォンまで下がり、コメ1kg価格が0.96$で1ドルに近づいたこともあった。 しかし、コロナ封鎖が解除され、外部との交流が始まり、国際市場のドル上昇の影響を受けるようになったのだ。第二に、北朝鮮が保有しているドルの量が少ないことだ。理由は、1990年代半ばから深刻な経済難に苦しんでいるため、全体的なドル保有量が多くない。第三に、硬直した金融制度によるドルの流れの統制に起因する。現在、北朝鮮当局は中央銀行と労働党、司法機関を動員して個人のドル両替を無知的に統制している。 したがって、国内市場でドルの流れが詰まり、為替レートの上昇につながったのだ。 第四に、中央銀行を通じた無分別な貨幣乱発だ。とんでもない経済政策で投資を増やすとしながら、工事に必要な資材を物資として与えずに貨幣をさらに発行して供給する方式で解決し、市中に資金が供給されたのも一つの原因になる。※最近、北朝鮮の貨幣工場がある平安南道平城地域の住民の話によると、この1年間、貨幣工場がフル稼働に戻り、実際に最近では市場に新しい貨幣が多く流通しているという。貨幣生産が毎日急激に増えるため、この貨幣が市中に大量に供給されれば超インフレが発生する可能性が高い。北朝鮮の大半の住民は低所得層に属する。彼らにとってドルや人民元などの外貨保有は避け、北朝鮮ウォンを現金性資産として保有する場合が多いため、彼らの実質的な資産価値が下落するのである。物価の上昇により、人々は貯蓄を減らし、企業は投資を受けにくくなる。2) 穀物など重要物価の上昇最近、北朝鮮におけるインフレの原因は、政府と銀行がコロナ以後、財源調達能力が底まで落ちた状態で増える重要物価の上昇に対応し、全体的な供給が減少した結果だ。第一に、北朝鮮当局が核武装化とミサイル発射など同族殺生のための戦争準備に莫大な財源を消費している。第二に、金正恩とその追従者たちが政権維持のための成果づくりで消費型経済政策を無理に推進したことにある。例えば、コロナ以後、農村振興のための住居建設、平壌5万世帯の住宅建設に必要な財源が不足した状態で無理に20×10政策を推進している状況において、鴨緑江流域の水害被害によって支出が増加した。 政府の財政需要は幾何級数的に増え、財源調達能力が非常に制限された状態で貨幣発行を通じて財源を充当しようとする現象だ。 第三に、コメやトウモロコシ、小麦粉のような生存維持型商品の供給減少にある。現在、北朝鮮経済に内在する不確実性のため、コメのような住民の生存に必要な重要財貨および要素市場の価格歪曲が現れ、個人的富の再分配で社会葛藤が生じ、消費者の最適資源配分が撹乱され、生存が危険になるというのが今日の北朝鮮の現実である。3. 方案 北朝鮮が現在の危機から脱することができる重要な方法は、市場で個人の利益を追求できるよう自律性を保障し、市場を活性化することだ。住民たちが私的利益を追求するために交換と協力をするようにし、個人の利益を最大限保障する過程で政府と人々の物質的豊かさが増進されるという市場の原理に忠実でなければならない。幾何級数的に増える穀物と必須である食品の需要に対処して供給を増やさなければならない。ここで供給の増加のためには国内生産と輸入の均衡を合理的に合わせなければならず、外貨が不足している現実に対処して国家貿易と個人密輸を適切に配合することが最も早い出口だ。第二に、制度を改善しなければならない。歴史的に見て、硬直した制度が存在する共同体は、常に原始的な生活から脱することができなかった。名目だけを維持して消滅した事例も多い。制度とは社会の一般的な行為や人間同士の関係だけでなく、経済成長において決定的な役割を果たす。北朝鮮が経済的に発展できず、国民が長い貧困に苦しむ理由は、制度の硬直性と多くの関係がある。自立経済は国民需要と生産量の増加が可能な範囲で行われなければならず、また物価上昇がそれに付いてこなければならず、外部と遮断で供給減少による物価上昇を起こして景気を浮揚するという考えは、因果関係さえ逆になった誤った考えである。過度な物価上昇は、企業の原材料価格と最終消費者の購買価格を高め、需要を抑制させるため、意味をなさず経済成長にも好ましくない。新型コロナウイルスのような疾病よりさらに悪い処方を公式に施行している北朝鮮当局の行動に注意を向ける必要がある。
24.10.24 -
韓流にはまった北朝鮮医師、血書を書いて反体制地下組織を作り、妻まã...韓流にはまった北朝鮮医師、血書を書いて反体制地下組織を作り、妻まで動員して内部に宗教·韓流を伝播 SAND研究所 北朝鮮で韓流にはまった医師が血書を書いて反体制組織を作り、夫人まで動員して宗教と迷信を北朝鮮内部に伝えたという話が出た。北朝鮮に浸透した韓流が、住民意識の変化とともに政権に抵抗する反体制活動につながるという観測が出ている。北朝鮮の金正恩国務委員長が最近「二ヵ国」論を持ち出した理由も韓流の遮断を目的としていると思われる。 SAND研究所の英文ニュースレターチームが入手した北朝鮮内部の教育映像によると、北朝鮮の医師チェ氏は様々な経路を通じて宗教と迷信、韓流に接し、思想意識に変化が生じた。映像は医師のチェ氏が「党の配慮をたくさん受けながら成長した者として宗教と迷信に染まり、不純録画物を密かに見る過程で次第に思想的に変質し、私たちの制度に反旗を翻す野望まで抱くようになった」と伝えた。 北朝鮮が内部教育映像を通じて公開した医師など反体制人物の姿/SAND研究所 チェ氏は、医師の身分を利用して人々に病気の治療をし、宗教と迷信を信じるように説教したことが分かった。また、患者らに韓国の放送の聴取も積極的に推奨したという。 映像によると「狡猾きわまりないチェという者は、人々に病気を治す処方には色々なものがあるが、迷信を信じることはその中の一つだと説きながら、暗々裏に迷信と宗教を信じて敵の放送も聞くように煽った」とした。 また、チェ氏が、「表向きでは誠意に満ちあふれた医師のように行動し、その裏では自分の衝動に釣られた者をかき集め、我々の社会主義に反対する反動結社まで作り出した」とした。続いて「奴等は我々の制度を覆す野望を抱いて血まで抜いて血書を書く妄動も躊躇しなかった」とした。 彼らが宗教と迷信を北朝鮮内部に流布させた情況も明らかになった。映像では「チェという者は吸収された者たちに『人々に宗教と迷信を信じさせれば労働党の言葉より神や鬼の言葉に従うだろう』と話した」と伝えている。 また、彼らの布教活動には夫人たちまで合流したという。映像では「チェをはじめとする不純な者たちは、自分の妻たちまで動員して国境沿線を回りながら、宗教と迷信を宣伝する不純な宣伝物を引き入れるために狂っていった」と主張した。 映像によると、これら反体制勢力は組織的に宗教書籍と迷信関連の映像を北朝鮮内部に拡散した。これは韓流が北朝鮮住民の意識変化はもちろん、反体制知識人らの成長を牽引することを意味する。
24.10.24 -
金日成死後30年、北朝鮮の過去と現在そして未来(3) - 戦後、金日成のスã...金日成死後30年、北朝鮮の過去と現在そして未来(3) - 戦後、金日成のスターリン主義的粛清と党内権力闘争 - カン・インドク元統一部長官 1953年7月に休戦が成立すると、北朝鮮内では戦争責任をめぐる党内葛藤が権力闘争に飛び火した。金日成グループは朝鮮戦争の失敗原因は、戦争初期に朴憲永グループが開いた反党·米帝スパイ行為のためだったと主張した。彼らの主張、すなわち南侵を開始すれば、約20万の南朝鮮人民が決起し、人民軍を歓迎すると主張したが、このような彼らの主張は真っ赤な嘘だったと強弁し、敗戦の責任を南朝鮮労働党(南労党)に転嫁した。 金日成(前列右)と南労党を代表する朴憲永(中央)が1948年9月2日に開幕した北朝鮮最高人民会議第1回会議で表決に参加している。/メディア韓国学 1955年12月に始まった朴憲永をはじめとする南労党出身の幹部-李康國、李承燁、林和など10人余りに対する特別法廷裁判は死刑を言い渡し、直ちに刑が執行された。さらに、1956年4月に開催された第3回党大会は、彼らに対する粛清の正当性を再確認し、戦後復興のための経済計画を審議した。この席で革命基地再建のために重工業再建を優先しようという金日成グループと、戦火で飢餓と日常生活の必需品不足に苦しむ人民の生活苦を解決するために農業と軽工業を優先しようとする穏健派(主に延安派とソ連派)間の論争において「重工業優先」が決議(4月テーゼ)され、経済計画のための対立は解決されたが、これとは別に党内主導権のための権力闘争が展開された。その動機は1956年2月にソ連共産党20次大会が決議した「スターリンの格下げと平和共存」を受け入れるをめぐる論争であった。北朝鮮の金日成派と延安派、ソ連派が並んで主席壇に座った1954年の第8回北朝鮮最高人民会議の様子。/TVタレント 問題は、この論争の核心が北朝鮮の小スターリンである金日成もソ連共産党が決議した「スターリン格下げ」のように党内民主主義を無視して、独裁者にならないようにすることであった。このような反金勢力による「金日成格下げ」の主張は、党内主流の金日成グループとしては到底容認できない主張であった。金日成グループは、このような主張を提起した崔昌益、朴昌玉、尹公欽などの党中央委員を党内の宗派分子と規定し、逮捕·粛清することを決議した。 これに気づいた一部の反対者-尹公欽(商業相)、徐輝(職業同盟委員長)、李弼圭(中央委員)らが一時休会した隙を狙い、鴨緑江を渡って中国に逃避し、中国共産党首脳部に金日成の横暴を告発した。これによって北朝鮮労働党内の権力闘争の深刻さを知った中国共産党は、ちょうど北京を訪問中だったソ連共産党政治局員のミコヤンと協議し、朝鮮戦争当時、中国共産党の司令官だった彭徳懐とソ連共産党代表に指名されたミコヤンが平壌を訪れ、金日成の粛清中止を要請し、これに屈せざるを得なかった金日成は崔昌益、朴昌玉らの離党決議を撤回した。これが有名な「八月宗派事件」である。 しかし1年後である1957年8月、「8月宗派事件」にかかわった崔昌益、朴昌玉などは「国家変乱陰謀」を企てたという罪名で全て逮捕·投獄し粛清された。当時、粛清を免れた者たちは中国に亡命したか、あるいはソ連当局に請願し、ソ連国籍を再び求めてソ連に亡命した。ところが「8月宗派事件」で誘発された粛清作業は、翌年の1957年5月30日、金日成が主宰した党中央委員会常務会議が決議した「全党全人民的な闘争を展開する時に対する決議」(5.30決議)により北朝鮮全域、全人民に対する思想検閲事業へと拡大した。 「5·30決議」が発表された後の1年間は地方党の宗派分子探しと粛清が進行されたが、この粛清事業が終わった1958年12月に至ると、金日成の実弟で中央党組織指導部長である金英柱が主導する全ての北朝鮮住民を対象とする成分調査事業である「集中指導事業」が始まった。金英柱は中央党行政部長と副部長、組織指導部副部長と課長ら、内務省安全局長、最高検事総長、各道党副委員長、内閣の覚醒党委員長、そしてここに金日成大学高学年学生をはじめとする各大学青年学生7,000人を動員し、文字通り全国、全民に対する身元検閲事業を展開した。 1920年代末、農業集団ソ連共産党の首領スターリンは農業集団を実施し、地主と富農をはじめとする罪のない農民と集団化拒否者2,000万人の粛清に続き、1930年代以後、第2次ヒトラーの侵攻でドイツとの戦争を始める直前1940年まで党幹部と軍幹部、さらにソ連軍総参謀長のトゥハチェフスキー元帥まで粛清した。当時、沿海州に居住していた約20万人の韓国同胞が中央アジアの荒れ地に強制移住され、ユダヤ人とウクライナ、バルト3カ国に居住していた少数民族が反ソ危険人物として追い込まれ、シベリアや中央アジアの奥地に追放した。北朝鮮による「集中指導作業」という大粛清もスターリンと類似した方向性のものであった。 参考:1927年~1932までの5年間にわたる農業集団化で2,000万人が飢餓で死亡した大惨事が起きたにもかかわらず、1934年に開催した第17回党大会を「勝利の大会」と称賛したスターリン。 同年12月、後継者に指名したキーロフが暗殺されると、レーニンと10月革命を率いたトロツキー、ブハーリン、ジノビエフ、カメネフなどの党の元老幹部とピャタコフ、ラデックなどの中央委員をエジョフ内務委員(長官)を通じて粛清、処刑し(その後、粛清を主導したエジョフを反ソ連活動を行ったという罪で粛清した)、1937年6月にはトゥハチェフスキー連軍総参謀長をはじめとする軍部最高幹部を「ナチスヒトラーのスパイ」と決め粛清した。その結果、第17回党大会で選抜された139人の党中央委員のうち98人が反党·宗派分子帝国主義者のスパイとして処刑された。 簡略的に北朝鮮で実施された集中指導事業を見ていることにする。まず、北朝鮮の全住民を信頼できる核心階層、中間階層、敵対的不純階層という3つに区分し、これを再び51階層に区分した。このうち、信頼できない不純階層の対象は、韓国から越境してきた者とその家族、戦時治安隊の加担者とその家族、反共団体の加担者とその家族、牧師をはじめとするキリスト教信者とその家族、地主、富農、商工業者とその家族、そして8月の宗派分子に同調した者とその家族などであった。 これらに対する措置は「内閣決定149号」、赤い都市化計画に基づく不純分子追放を目的とする朴憲永的な要素の除去に基づき、海岸線と休戦ラインから20km、平壌と開城から50km、各市から20km外に追放するというものだった。この隔離距離から測定してみれば、平安北道の北部、慈江道と両江道、咸鏡南道の内陸奥地、そして咸鏡北道一帯に追放するということであった。 このような追放は、すなわち政治犯収容所への収監を意味するものだった。 この「内閣決定149号」によって追放された者は、平壌で5,000世帯、開城地区で600世帯、黄海道で1,500世帯、江原道で1,000世帯、合計8,000世帯余りが追放されたということだ。この決定によって、党から追放されたり降格された党員は、平壌市党の場合40%、開城地区党の場合70%、黄海道党の場合60%、江原道党の場合80%に達し、およそ60%以上が処罰を受けたという計算だ。このような北朝鮮居住全員の身元調査を進め、一方でスターリンの農業の集団化を真似て、個人農を全廃し、協同農場に全農民を入居させ、社会主義的、全体主義的支配体制を完成させた。
24.10.24 -
なぜ北東アジアの平和のために韓国と日本の核武装が必要なのか?なぜ北東アジアの平和のために韓国と日本の核武装が必要なのか?チョン・ソンジャン世宗研究所韓半島戦略センター長9月13日、北朝鮮官営メディアは金正恩の現地指導を報道し、核弾頭の原料である高濃縮ウラン(HEU)製造施設を電撃公開した。北朝鮮が2010年、米国の核物理学者であるヘッカー博士を寧辺に招待してウラン濃縮施設を見せたことはあるが、今回のように対外的にウラン濃縮施設の写真まで公開したのは初めてである。金正恩は現地指導において、核兵器を「幾何級数的」に増やすために遠心分離機の台数をさらに増加させ、新型遠心分離機の導入も計画通り推進することを指示した。これは北朝鮮が今年の米大統領選挙の結果や国際環境の変化と関係なく、韓国や日本、米国までも攻撃できる十分な量の核兵器を保有するという金正恩の超強硬的な立場を示している。北朝鮮が今回公開したウラン濃縮施設について韓国軍関係者は「規模から見て少なくとも4,000個以上の遠心分離機が設置されたものと推定される」と評価した。これは年間最低80キロのHEU(核弾頭3個分)を生産できる施設だ。軍関係者はまた「すでに知られている寧辺、降仙の核施設だけをフル稼働しても、北朝鮮は年間最大10個の核弾頭を確保できるものとみられる」とした。米国のランド研究所と韓国が峨山政策研究院が2023年8月に作成した報告書である「韓国に対する核保障強化方案」では、「北朝鮮はすでに韓国に実存的脅威になりうる核戦力を備えており、米国にも深刻な脅威を加える直前だ。北朝鮮は自国の核兵器で米国を威嚇して韓米同盟を解体し、南侵をしなくても韓国を掌握することを望んでいる」とした。そして、北朝鮮が少なくとも180個の核兵器を保有していると推定し、2030年には最大300個の核兵器を保有できるとした。北朝鮮の最近のウラン濃縮施設の公開と金正恩の発言は、ランド研究所と峨山政策研究院のこのような分析が相当な妥当性があることを確認させるものである。 北朝鮮の核兵器は、韓国に対してだけ脅威となるわけではない。北朝鮮がもし戦争を起こせば、在日米軍が韓半島に移動し、日本の米国支援も避けられないだろう。その場合に北朝鮮が在日米軍基地や日本を戦術核兵器で攻撃する可能性を排除できるであろうか。もしその時点で日本が核兵器を保有していなければ、日本は北朝鮮によって容易に攻撃対象となるであろう。しかし、もし日本が核兵器を保有していれば、日本が米国を後方から積極的に支援するとしても、北朝鮮が日本を核兵器で攻撃することは難しいだろう。近い将来、中国が台湾に侵攻する可能性も排除できない。2023年9月、中国で開催された国際学術会議に参加した筆者は、当時中国の共産党幹部と専門家の台湾統一意志があまりにも強力であることに衝撃を受けたことがある。習近平主席が台湾を統一すれば、毛沢東も成し遂げられなかった中国統一を成し遂げることになるため、習近平が長期執権のために武力統一まで辞さない可能性が高い。ジョン·アキリーノ米インド·太平洋司令官も2024年3月20日、米下院軍事委員会聴聞会に参加し、中国が2027年までに台湾を武力で統一できる力量を確保すると展望した。 もし今年の米国大統領選挙でドナルド·トランプが大統領職に再選されれば、彼は同盟より米国の国益を優先視する忠誠派を要職に任命し、米国の「世界警察」の役割を放棄する可能性が高い。トランプは、小さな島国(台湾)のため、米国が核武装した大国(中国)となぜ戦争をしなければならないのか理解できないため、習近平中国共産党総書記と台湾を放棄する取引をする可能性も開かれている。2024年1月、FOXニュースが「もしトランプが再び政権を担った状況で中国が台湾に対する武力挑発を敢行した場合、米国と中国の戦争につながる可能性を甘受してまで台湾を支援する考えはあるのか」と質問すると、トランプは明確に米国が台湾を助ける必要がないという意見を表明した。そしてトランプは「本来、米国は自主的に半導体を生産していたが、台湾が駆け上がった結果、全世界の半導体の90%を台湾が作り出している」とし「台湾が私たちの半導体産業を全て侵食してしまった」と主張した。 トランプは、米国が台湾を守る必要性を感じていないのだ。 2020年11月、トランプ米大統領は退任2ヵ月前にアフガニスタンとイラク駐留米軍の一部撤収を指示した。当時、アフガンに米軍4,500人、イラクに3,000人が駐留していたが、バイデン大統領が就任する2021年1月20日直前の1月15日までにそれぞれ2000人と500人を撤収させた。その結果、アフガン駐留米軍の44%、イラク駐留米軍の17%が非常に短い期間内に撤収した。民主党はもちろん、与党の共和党、同盟国の憂慮にもかかわらず、トランプ大統領は退任直前に主要外交·国防政策をこのように押し通した。 冷戦終結直後に作られた米国の二つの戦争同時遂行戦略は2012年に廃棄され、以後は一つの戦争だけを遂行しながら他の戦争は抑制するというワンプラス戦略が採択され現在まで維持されている。ところが2022年2月、ロシアのウクライナ侵攻以後、グローバル次元で4つの戦線が形成されている。一つ目は欧州戦線、二つ目は中東戦線、三つ目は台湾海峡戦線、四つ目は韓半島戦線だ。米国がこの4つの戦線を同時に安定的に管理することはできないという点が問題だ。特に台湾海峡戦線で米中間の武力衝突が発生した場合、韓半島戦線で北朝鮮が核兵器を動員して武力挑発をするならば、米国の対応はさらに制限されるほかないだろう。 北朝鮮の対韓国核脅威がますます露骨化しており、韓国国民の独自の核保有支持世論は高まっている。峨山政策研究院が今年5月16日に発表した定例世論調査で、独自の核武装に対する韓国国民の賛成世論は70.9%だった。これはこのシンクタンクが2011年に初調査を実施して以来、最も高い数値だ。 このような状況においてトランプが大統領職に再選され、在韓米軍削減や韓米連合演習の縮小、防衛費分担金の大幅な増額などを推進した場合、韓国で独自核武装の世論は今よりさらに高まるであろう。そうすると尹錫悦政府も、世論の圧迫によって独自の核武装問題を真剣に考慮せざるを得なくなるだろう。もし韓国での2027年の大統領選挙や2032年の大統領選挙で、韓国独自の核保有オプションを支持する政治家が当選すれば、韓国は直ちに核武装の方向に進むのだ。したがって、韓国の独自核武装は時間の問題だ。早ければ10年以内に、遅くとも20年以内に韓国は核武装する可能性が非常に大きい。現在、日本国民の大半は、米国がいかなる場合にも自国を守ると絶対的に信頼している。しかし、もしアメリカの大統領選挙で孤立主義および「米国優先主義」性向の政治家が大統領に当選し、アメリカが「世界警察」の役割を拒否するとしたら、日本はどうするのか。日本の周辺国の中で中国と北朝鮮が核兵器を幾何級数的に増やしている状況で、韓国まで北朝鮮の核の脅威に対抗するために独自の核武装の道を選択する時、日本だけが北東アジアで一人で「非核国家」として残っているのだろうか。韓国と日本が国際社会の制裁を受けなかったり、またはほぼ形式的な制裁のみを受けながら核保有国になる方法は、両国が同時に核保有の方向に進むことだ。次善策は、韓国が先に独自の核保有を決定し、日本がその後を追うことだ。韓国と日本が同時に、または順次に核武装すれば、米国と西欧世界が彼らにも経済的に大きな被害を与える制裁を採択することはできないだろう。韓国と日本が核武装すれば、北東アジアの安保状況は根本的に変わり、現在よりずっと安定した平和の時代が開かれるだろう。米国、中国、日本、ロシア、韓国、北朝鮮の6ヵ国が、核兵器で特定国家を互いに威嚇できない力の均衡状態が確立されるためだ。不拡散論者たちは、韓国と日本が核武装すれば、北東アジアで米国の影響力が急速に衰退することを憂慮している。しかし、米国が北東アジアで北朝鮮と中国の核能力が急速に増強されることを阻止することもできず、韓国と日本の核武装だけを阻止することは、同盟国をさらに危険な状況に追い込んでいる。 韓国と日本の核武装は、北朝鮮と中国およびロシアという権威主義国家の北東アジアでの現状打破の意志を弱め、韓米同盟と日米同盟がさらに堅固な核同盟に進化する契機となるだろう。そして、米国は北東アジアで単独により北朝鮮と中国を牽制する時よりもはるかに強力な友軍を確保することになり、中国牽制にさらに力量を集中できるようになるだろう。
24.09.26 -
佐渡鉱山と世界遺産の登録: 争点と課題佐渡鉱山と世界遺産の登録: 争点と課題 ソク・ジュヒ(東北亜歴史財団) 2024年7月27日、第46回ユネスコ世界遺産委員会(WHC)は日本の佐渡鉱山を世界文化遺産に登録することを最終決定した。佐渡鉱山は、日本の新潟市から西に45キロメートル離れた佐渡島に位置している。佐渡島では12世紀頃から砂金を採取し、計78トンの金と2330トン以上の銀を生産した。佐渡鉱山の開発は1601年に始まり、1989年に採掘を止めるまで約400年間、金と銀を採掘した。佐渡鉱山が位置した相川金銀山は計400kmで、その一部が佐渡鉱山歴史遺跡地観光コースとして一般に公開された。観光コースは宗太夫坑道と道有坑道の二つのタイプがある。宗太夫坑道は江戸時代(1603~1867)の鉱夫たちが直接掘り出したトンネルを通じて採掘の様相を見せている。道有坑道は明治時代(1868~1912)に開発したトンネルで、鉱山用の車や道をそのまま保存している。二つの坑道の時代的な違いは、視覚的にもはっきりと表れている。坑道を通じて佐渡鉱山の採掘技術と生産方法の変化、垂直坑道と選鉱施設などを見ることができる。その一方で、朝鮮人労働者の痕跡は細心に探さなければ見つけにくい。世界遺産としての佐渡鉱山をめぐる3つの争点佐渡鉱山が世界遺産に指定される過程で、朝鮮人労働者と関連して3つの争点が問題となった。強制性、相川郷土博物館、追悼式だ。この中で最も争点になったのが「強制性」だ。朝鮮人労働者関連施設や技術で彼らが苛酷な労働環境に置かれたことを展示してはいるが「強制性」は明示しなかった。 相川郷土博物館の朝鮮人労働者関連展示室には、朝鮮人労働者が日本人より危険な作業に従事した比率が高かったと掲示した。韓国メディアでは、佐渡鉱山の遺跡地と関連施設で強制動員など「強制性」を明示しなかったという点を大々的に報道した。 佐渡鉱山/unその反面、日本では2015年7月軍艦島が世界遺産に登載された当時、日本政府は朝鮮人労働者に対して『本人の意思に反して(against their will)』動員され苛酷な条件で『強制的に労役(forced to work)』した事実を認め、これを継承するという立場を明らかにした。しかし、佐渡鉱山関連施設と展示物に「強制」という字句が明確に記述されないことで論難は続いている。 第二に、相川郷土博物館の展示に関するものである。日本政府は、佐渡鉱山の世界遺産登録とともに、全体の歴史を反映する施設物を現場に設置するようにした。これに伴い、相川郷土博物館3階展示室には朝鮮人労働者関連展示館が運営中だ。相川郷土博物館は、佐渡鉱山から少し離れたところに位置するが、朝鮮人労働者の居住地である第3相愛寮の跡から第1相愛寮の跡を通る道に沿って徒歩でアクセスが可能だ。当初から朝鮮人労働者の痕跡を探す旅程なら徒歩で移動した方がよい。相川郷土博物館は、佐渡鉱山に朝鮮人の労働環境を示す展示物を設置すると約束した結果だ。 展示室の題名は「朝鮮半島出身者を含む鉱山労働者の生活」であり、労働者出身地、鉱山労働者の生活、苛酷な労働条件などを記述した文書の一部を展示している。展示掲示物は朝鮮人が日本政府の政策により組織的に動員され、展示中に苛酷な労働環境にあったという事実を明示した。しかし、強制性を明確に表現した記述や説明はない。 第三に、韓日両国は毎年佐渡鉱山労働者追悼式を開催することにした。早ければ9月に佐渡鉱山労働者追悼式が開催される展望だ。しかし追悼式の対象になる日本による植民地時代、使徒鉱山に動員された朝鮮人労働者に関する「半島労務者名簿」はまだ公開していない。「半島労務者名簿」は新潟県県立文書館に「1414番資料」として保管されている。該当名簿は、佐渡鉱山に動員された朝鮮人の状況を全般的に把握することができ、重要な資料だ。追悼式を開催する前に韓日間で「半島労務者名簿」の公開可否を巡る論争が続くものと見られる。「全体の歴史」としての佐渡鉱山 佐渡鉱山について、全体の歴史を扱うべきだという点については、国内外の多くの専門家たちも同意している。日本でも、鉱山の全体の歴史を現場に総合的に反映する解釈と展示および施設を開発することにした。最近、佐渡鉱山·朝鮮人強制労働に関する資料集を発刊した竹内康人は「全体の歴史を見せることが重要だ」と強調した。 国際記念物遺跡会議(ICOMOS)は今月6月6日、「全体の歴史を現場で包括的に扱う説明展示戦略を策定し、施設や設備などを備えるように」とした。実際に佐渡鉱山とその周辺地域は全体の歴史の流れを如実に現わしている。 佐渡鉱山のもと、地域には近代の時期に建てられた佐渡鉱山の中核施設である濃縮装置と北沢浮遊選鉱場、高任貯鉱舎などがある。むしろ当該施設物は、日本国内で近代遺産の遺跡地として広く知られている。佐渡鉱山の象徴である「道遊の割戸」は長い時の流れをそのまま見せてくれる。世界遺産登録後、残された課題 佐渡鉱山はユネスコ世界遺産に登録され、人類の普遍的価値を盛り込んだ象徴的な施設となった。「歴史は川の水のように悠々と流れる」という言葉のように、文化遺産は断絶することができず、すべての時間の流れを細かく保管している。その中にいる人の痕跡を通じて私たちは人類の歴史と生活を類推することができる。江戸時代から開発された暗くて長い鉱山は、今や世界遺産としての命脈を引き継ぐことになった。佐渡鉱山の文化的価値と遺産がスポットライトを浴びるようになった中で、苛酷な環境に置かれた朝鮮人労働者がその中に位置したことを記憶しなければならないだろう。参考文献References일본정부관광국 공식홈페이지, https://www.japan.travel/ko/spot/1426/동아일보, “日, ”사도광산 부정적 측면도 마주해야“지적 잇따라” (2024-07-31)Japan Tourism Agency Official Website: https://www.japan.travel/ko/spot/1426/Dong-A Ilbo: "Japan Should Also Acknowledge the Negative Aspects of Sado Gold Mine" (31 July, 2024)동아일보, “조선인 강제 징용‘ 사도광산서 추도식..8월 이후 개최”(2024-07-30)Dong-A Ilbo: "Memorial Service for Korean Forced Laborers at Sado Gold Mine Scheduled After August" (30 July, 2024)연합뉴스, “日연구자들 ‘사도광산 조선인 자료집’출간...”역사 전모 밝혀야“” (2024-7-17)Yonhap News Agency: "Japanese Researchers Release 'Sado Gold Mine Korean Data Collection'... 'The Full History Needs to Be Revealed'" (17 July, 2024)KBS뉴스, [특파원 리포트] ‘사도광산’은 정말 꼼수가 아닐까?...스스로 ‘함정’판 일본 (2022-1-13)KBS News, [Correspondent Report]: "Sado Gold Mine - Japan Digging Its Own Trap" (13 January, 2022)한겨례신문, “사도광산 등재, 한국이 진짜 ‘챙겨야’했던 것‘ (2024-08-13)The Hankyoreh: "Actions South Korea Needed to Take in Response to the Sado Gold Mine Listing" (13 August, 2024)아사히는 오늘 게재한 ‘빛도 그림자도 전하는 유산으로’ Asahi Shimbun: "A Heritage That Conveys Both Light and Shadow"
24.09.26 -
[SAND単独] 平壌裁判所の女性上級判事が伝える平壌内部の実情[SAND単独]平壌裁判所の女性上級判事が伝える平壌内部の実情 北朝鮮の刑事記録初公開: 女性幹部も犯罪に加担 SAND研究所英文ニュースレターチーム 北朝鮮において社会逸脱現象が拡大する中、平壌裁判所の女性判事が直接登場し、平壌市内部の犯罪現況を紹介する教育映像をSAND研究所ニュースレターチームが単独入手した。北朝鮮の教育映像に判事まで登場し、犯罪の現況を紹介したのは異例のことだ。これは北朝鮮の核心階層が集まった平壌も市場化と外部文化の流入で住民意識の変化が拡散·深化したという観測が出ている。 2021年に北朝鮮当局が製作したこの映像によると、住民を直接監視·統制する末端組織である人民班長と女性同盟初級団体委員長などが直接犯罪に加担したことが分かった。北朝鮮中央裁判所平壌市兄弟山区域のシンガン2洞人民班長とシンガン3洞で、女盟(女性同盟)初級団体委員長が犯罪を犯して収監された。上級組織である兄弟山区域の労働党、行政(人民委員会)、勤労団体(女盟、青年同盟、農勤盟、職盟の4大団体を含む)組織では、その犯罪行為が摘発されるまで知らなかったという。映像の中のアナウンサーは、思想教養と掌握統制を通じて些細な非正常的な要素も発生しないようにしなければならないとする幹部たちが「どれほど無脈で『目を開く盲人』『耳のついた口』のように仕事をしたらこのようになっただろうか」と批判した。カン·グムジュ平壌市裁判所上級判事が、北朝鮮当局が製作した住民教育映像に登場し、北朝鮮内部の犯罪現況について説明している。/SANDニュースレターチーム続いて、平壌市裁判所上級(高等)判事と紹介されたカン·クムジュという女性判事が制服を着て登場し、最近平壌で発生した犯罪行為について直接説明する。犯罪行為が書かれた刑事記録書類も公開された。過去、北朝鮮の判事、検事たちは制服を着ず、私服を着ていたが、金正恩の登場以後、判事や検事たちも制服を着用している。カン·クムジュ判事は「今、女性たちの中で各種形態の犯罪が行われている」とし、「個人財産損害が最も多く、その次に麻薬、不純(性売買、韓国ドラマ視聴など)犯罪でも女性犯罪者が比重を多く占めている」とした。カン判事は続けて、「さらには人の生命を侵害する犯罪にまで女性たちが加担している」とし「女性犯罪者たちが犯罪を敢行する度数(水位)を見れば、本当に男性たちが想像もできないような状況にまで至った」と話した。1990年代半ばの北朝鮮経済崩壊後、北朝鮮市場化の主役に浮上した北朝鮮の女性たちは、各種の外部情報に接し、意識変化と逸脱行為をしているという。映像では、女性たちのこのような逸脱行為が国家の利益を侵害し、社会的不信を造成する慎重な問題だとし「自ら災いの種をまき、自分と家庭の子供たちの人生と未来をどうか踏みにじる危険千万な自滅行為」と指摘した。そして、このような社会的逸脱が思想意識を蝕み、家庭と集団、国家も知らない精神的障害者、奇形児を作るとし、これを防止するために政治闘争、階級闘争を行うことを注文した。一方、映像には韓流ドラマを見た幼い女子学生が大衆の前で公開裁判を受け、女性安全員(警察)によって手に手錠をかけられ、連行される場面も公開した。北朝鮮がこのような平壌内部の犯罪の現況を判事が直接出演して伝え、犯罪記録まで公開したことは、北朝鮮内部、特に平壌にも各種犯罪と社会的逸脱が蔓延していることを示唆している。
24.09.26 -
北朝鮮人権への無関心が独裁者の傲慢を招きかねない北朝鮮人権への無関心が独裁者の傲慢を招きかねない海外の北朝鮮住民も涙を流しながら聞いた呉俊(オ·ジュン)大使の国連演説呉俊(オ·ジュン)元国連大使「北朝鮮住民は関係ない人々ではありません」「国際社会が北朝鮮の人権に無関心で、持続的な圧力をかけなければ、北朝鮮の独裁者は勝手にしてもいいと考え、住民の弾圧と人権侵害を行うでしょう。」11日、ソウル麻浦区のセーブチルドレン事務所で会った呉俊(オ·ジュン)元国連大使は、「持続的な対北朝鮮人権圧迫が、北朝鮮当局に『国際社会がいつも私たちを見ているんだな』という覚醒効果を与える」とし、このように述べた。国連人権理事会/連合ニュース呉元大使は10年前、国連駐在韓国大使を務めていた当時、北朝鮮の人権問題で全世界を感動させた名演説で有名だ。海外で彼の演説にユーチューブで接し、感動を受けて脱北を決心したという事例があるほどだ。現役軍人出身でロシアに派遣され勤務していた北朝鮮青年は「韓国人にとって北朝鮮住民は関係ない人々ではない」という呉元大使の国連演説を聞いて涙を流したと話した。2014年12月、呉俊(オ·ジュン)国連大使が国連安保理で演説している。/聯合ニュース呉元国連大使は在国連韓国代表部次席大使、大使、国連経済社会理事会議長など国連代表部勤務だけで4回歴任、38年間外交官として勤務し、多国間外交専門家として活躍した。現在、セーブ·ザ·チルドレンの理事長を務めている。セーブ·ザ·チルドレンは人種、宗教、政治的理念を越えて児童権利実現のために活動する国際救護開発NGOだ。呉元大使は国連大使として活動していた10年前の当時を回想し、「初めて国連で北朝鮮人権報告書が採択されたのは、分断の歴史において特別な意味を持つ事件だった」と述べた。彼は「国連安全保障理事会はもともと平和と安全など安保に関する問題を扱う機構だが、人権問題も非常に深刻ならば平和と安保にも脅威になりうるために扱わなければならないという共感ができ、史上初めて北朝鮮人権問題が国連安保理に上程された」と話した。 「北朝鮮人権問題解決のための国際的な人権圧迫に私たちも参加しなければならない」と述べた。国際社会の対北朝鮮制裁と関連して彼は「累積効果」を強調した。北朝鮮が制裁初期には内部資源の動員と中国、ロシアの支援でなんとか持ちこたえるだろうが、「ラクダの背中に藁を積み続けることになれば累積した圧力で崩れる」ということわざのように、北朝鮮も制裁が継続して累積する場合、耐えられず崩れるだろう」と話した。彼は「北朝鮮が現在持ちこたえているということは何もないという意味ではない」とし、「最近、海外滞在の北朝鮮エリートたちの脱北が増加したこともそのような脈絡で見なければならない」と述べた。米国大統領選挙と関連して「トランプ大統領が再び大統領になれば北朝鮮と接触を強化する可能性が高い」とし、「ハリスが大統領になればバイデンの対北朝鮮政策をそのまま受け継ぐだろう」と話した。トランプが金正恩に会うこと自体は象徴的な意味があるが、非核化をめぐる変化がどのように実現するかは見守らなければならないと述べた。 米大統領が北朝鮮指導者に韓国で直接会っても、北朝鮮の核のような実際の安保面で劇的な変化は起こらないということをすでに経験しているため、それほど憂慮する状況ではないということだ。「北朝鮮住民は関係ない人々ではない」という表現が出た背景について、「分断が80年以上長期化し、南北が1991年の同時国連加盟後、2つの加盟国として活動し、韓民族であり一つの国家だったことを記憶する人がますますいなくなる状況を憂慮して投げかけたメッセージだ」と話した。 呉元大使は「北朝鮮の人々は関係ない人々ではない」という表現が国連加盟国だけでなく韓国の若い世代、北朝鮮の若い世代も共感するということに驚くべきこと」と話した。呉元大使は「われわれが同じ民族のような血筋という絆をある程度維持してこそ、結局のところ北朝鮮の核問題も解決され、南北が協力して対話し、統一に近づくことができるだろう」と述べた。韓日関係について「文在寅政府から尹錫悦政府に移行し、韓日関係改善の扉を開いた」とし「韓日関係が韓米日3国間の協力という脈絡でも意味を持つが、韓日関係は歴史的な問題があるため、そのような歴史的な問題をうまく扱っていき、安保協力と経済関係もよく発展させていかなければならない」と述べた。呉元大使は「尹錫悦政府に入って日本との関係改善には間違いなく成果があるが、韓日間の歴史的問題まで解消されたわけではないため、韓日間の歴史的問題という負担の中でも安保と経済的な協力は継続強化されなければならないという方向は正しいと思う」と話した。
24.09.26