朝鮮半島の平和共存構想の実現に向けた日韓協力の必要性と日本の役割

李基泰(イ・ギテ) 世宗研究所 外交戦略センター長
朝鮮半島の平和と北東アジアの秩序
朝鮮半島の平和共存構想は、単に南北関係を改善するにとどまらない。それは、朝鮮半島を取り巻く安全保障構造を安定させ、軍事的緊張を緩和し、究極的には平和を制度化する長期的な課題である。朝鮮半島の平和共存構想は、韓国と北朝鮮だけの関係では実現が難しく、周辺国との協力、特に日本との戦略的連携が裏付けられて初めて、現実的な推進力を得ることができる。
最近の国際情勢を見ると、この点はさらに明らかになる。米中間の戦略的競争は長期化しており、ロシア・ウクライナ戦争は国際秩序全般の不確実性を増幅させており、北朝鮮は核・ミサイル能力を高度化し続けている。このように複合的な国際情勢の不安定さの中で、朝鮮半島の平和はもはや朝鮮半島内部の問題にとどまることはできず、北東アジア全体の秩序の安定に直結する戦略的課題となった。
特に今日の安全保障環境においては、伝統的な軍事的脅威と非伝統的な脅威が同時に作用している。北朝鮮の核・ミサイル脅威はもちろんのこと、サイバー攻撃、金融制裁の回避、違法な資金調達、情報戦といった要素が相互に結びつき、朝鮮半島の緊張局面をより複雑なものにしている。したがって、朝鮮半島の平和は、単に軍事衝突を防ぐという問題を越え、危機的状況においても協力と抑止が機能し得る制度的基盤を構築する問題として理解すべきである。まさにこうした理由から、日本の役割は単なる周辺的な補助ではなく、平和体制の実質的な構成要素として捉えるべきである。
日本の戦略的意義
日本は朝鮮半島問題の外部の観察者ではなく、実質的な利害関係者である。北朝鮮のミサイル発射や核の脅威は日本の安全保障に直接影響を及ぼしており、日本は自国の国家安全保障の観点から、北朝鮮の脅威を極めて敏感に認識している。同時に、日本は米国との同盟、韓国との安全保障協力を通じて、地域内の抑止構造の中核をなしている。それゆえ、日本の役割は単なる外交的支援にとどまってはならない。北朝鮮の挑発を抑止し、国際社会の圧力を維持するとともに、危機的状況において情報共有と政策調整を可能にする実質的な協力者とならなければならない。
日本との協力は、過去の問題を覆い隠すような方式ではなく、平和と安定という共通の目標を中心に、機能別の協力を制度化する方向でなければならない。言い換えれば、歴史問題と安全保障協力を無理に結びつけるよりも、互いに異なる次元で管理しつつ、未来志向の協力を継続するアプローチが必要である。過去の問題は依然として重要であり、韓国社会において敏感な争点ではあるが、過去の問題が北東アジア全体の安全保障協力を麻痺させるような形で作用してはならない。むしろ、過去と未来を区別して扱う能力こそが、成熟した外交の条件だと言える。
日本の戦略的意義は、単に安全保障だけに限定されない。日本は経済力や技術力、国際機関内での影響力、グローバル・サプライチェーンにおける地位を基盤に、域内の安定性に重要な貢献をすることができる。例えば、半導体、バッテリー、エネルギー、先端素材、海運、データ・セキュリティなどの分野は、今日、国家安全保障と経済安全保障を同時に左右する核心領域である。韓国と日本は互いに競争関係にある部分もあるが、同時にサプライチェーンの安定や技術標準の形成、危機対応体制の構築においては、協力せざるを得ない相互依存関係でもある。したがって、朝鮮半島の平和と日本の役割を論じる際には、軍事安全保障だけでなく、経済安全保障や技術安全保障まで包括する視点が必要である。

協力の具体的な方向性
日本の役割は、大きく分けて3つの次元で具体化できる。第一は、対北朝鮮の抑止と圧力の次元である。北朝鮮は日米韓の連携の亀裂を利用して制裁を迂回し、外交的余地を広げようとするため、日米韓のメッセージは一貫していなければならない。日本はミサイル警報、海上監視、輸出管理、制裁履行において重要な能力を有しており、北朝鮮の挑発コストを高めることに寄与できる。特に北朝鮮が海上と空中で複合的に挑発を行う状況では、情報共有と探知体制の精緻化が重要である。この過程において、日本の技術的・運用的な能力は相当な意義を持つ。日米韓の協力が緩むほど、北朝鮮は外交的な亀裂を利用しようとするため、日米韓の連携は単なる形式的な連帯ではなく、実際の抑止力の一部として機能しなければならない。
第二に、対話の窓口を完全に閉ざさないという役割である。日朝関係は拉致問題、非核化、歴史問題により長期にわたり膠着状態にあるが、だからといってあらゆる接触が断絶されてはならない。非政治的領域における人道協力、民間交流、限定的な接触は、長期的には緊張緩和の基盤となり得る。対話は直ちに成果を上げられなくても、対立が誤判断へと拡大するのを防ぐ安全弁の役割を果たす。特に北朝鮮は、国際的な孤立が深まるほど、かえって危機を煽ることで交渉力を高めようとする傾向が見られるため、完全な孤立と無条件の包容の間でバランスを取るアプローチが重要である。日本が非政治的な接触の窓口を維持することは、こうしたバランスを可能にする一軸となり得る。
第三は、経済安全保障と技術安全保障の次元である。今日の平和は、軍事的な衝突がない状態だけを意味するものではない。半導体、バッテリー、エネルギー、データ、サイバー・セキュリティといった戦略産業が不安定化すれば、それは地域安全保障の不安定化につながる。北朝鮮のサイバー能力の高度化や違法な資金調達手法の精巧化は、こうした現実をさらに明確に示している。したがって、日韓間の協力は単なる経済的効率性の問題ではなく、危機対応能力と国家安全保障の回復力を高める戦略的選択として理解すべきである。特に、サプライチェーンが政治的武器として活用される時代においては、協力の範囲を伝統的な軍事領域を超えて、産業や技術、サイバーといった経済・技術安全保障へと拡大しなければならない。
このような三つの軸は互いに分離されたものではなく、密接に結びついている。抑止と圧力が機能して初めて交渉の条件が生まれ、対話のルートが維持されてこそ危機が誤判断へと発展せず、経済・技術安全保障が裏付けられて初めて長期的な平和が持続可能となる。したがって、日本の役割を論じる際にも、特定の分野のみを強調するやり方は不十分である。日本は朝鮮半島の平和の様々な層で同時に機能する多層的な協力者でなければならない。
平和体制の条件
何よりも重要なのは、日本を補助的な存在としてのみ見なさないことである。日本は朝鮮半島の平和の「観察者」ではなく、「調整者」であり「促進者」となり得る。朝鮮半島問題を南北間の対立としてのみ捉えれば解決の余地は狭まるが、日本を含む域内諸国が平和への利害関係を共有するようになれば、北朝鮮の選択も変わる可能性がある。特に日本は、米国との同盟を基盤としつつも、韓国との協力を結びつけることができる立場にあるため、日米韓協力の安定性を高める上で重要な役割を果たす。このような構造は、単に北朝鮮を牽制するにとどまらず、長期的には交渉の再開や平和体制の議論が可能となるよう、外交的環境を整えることにもつながる。
平和体制は、一度の宣言で完成するものではない。平和体制は、抑止と対話、圧力と誘因、伝統的な安全保障と経済・技術安全保障、政府間の協力と民間交流が共に機能して初めて実質的な意味を持つ。特に平和体制は、紛争の完全な消滅を前提とするよりも、紛争が存在しても爆発しないよう管理する制度的装置であるという点で重要である。日本は朝鮮半島の平和構造における外部変数ではなく、平和構造を実際に支える重要な軸である。日本が将来の地域秩序を共に設計する責任あるパートナーとして機能するとき、朝鮮半島の平和は南北関係を超え、北東アジア全体の安定へと拡大することができる。
日本の参加は、南北間の直接対話が途絶えた際に代替ルートを提供するという点でも意義がある。平和プロセスはしばしば直線的に進まず、迂回や調整、仲介を必要とする。こうした状況下で、日本は米国と韓国の間、より広くは域内の多国間協力の枠組みの中で、調整役を果たすことができる。日本は、北朝鮮が交渉に復帰できる外交的余地を広げる一方で、地域諸国間の相互不信を軽減するのにも寄与できる。結局のところ、平和体制とは単に敵対関係の終結を宣言するのではなく、敵対関係が再発しないよう多層的な安全装置を構築する過程である。
日本の役割の展望
今後、朝鮮半島の平和に関する議論は、単に緊張を緩和するレベルを超え、平和がどのような条件下で持続可能な秩序として定着できるかという問題へと移行する可能性が高い。この過程において、日本は歴史問題をめぐる対立の当事者であると同時に、域内安全保障の核心的な利害関係者であるという点から、もはや周辺的な変数とは見なせない。特に日韓関係の安定的な管理が裏付けられてこそ、情報共有、ミサイル警報、サイバー対応、サプライチェーンの安定といった実質的な協力が持続可能となり、これこそが朝鮮半島の平和の基盤となる。
日朝関係についても、短期的に大きな進展を期待するのは難しいが、完全な断絶状態を維持することも望ましくない。したがって、人道的課題や民間交流、非政治的な接触チャネルを維持する形で、最低限のコミュニケーションの基盤を残しておくことが重要である。こうした緩衝装置は、今後交渉の局面が開かれた際に予期せぬ突破口となり得ると同時に、地域の緊張を管理する安全弁としての役割も果たすことができる。
結局のところ、朝鮮半島の平和の見通しは、一挙の解決というよりは、漸進的な管理に近い。短期的には抑止と圧力が必要だが、中長期的には対話と協力の道を広げていかなければならない。その過程で、日本は単なる補助者ではなく、平和共存の条件を共に設計する責任ある協力パートナーとして機能するとき、最大の意義を持つ。